くすぐり執行官の双子

ジャンル:リクエスト作品 / 公開日:2023/06/25 / 販売価格:1000円
前編『くすぐり拷問師の学校』あらすじ
郊外にある広大な教育施設。
高い外壁で覆われた敷地は、一見すると刑務所のようにも見えるが、内実は”くすぐり拷問師の養成機関”として機能している。
“女性が男性をくすぐりで支配する”政府の誕生後、まず最初に組織されたのが「くすぐり拷問師」である。
職務内容は政府に向けて反抗を企てたものや、スパイへの拷問、犯罪者への自白を目的としたくすぐりを行う。
現時点で”くすぐり拷問師”の仕事は三大国家資格の一つという位置付けであり、社会的な地位も高い。
平均年収は1,000万円を超え、長官ともなれば2,300万円をゆうに超えるという。
しかし、くすぐり拷問師になることは容易ではない。
くすぐりの才能があるのは前提条件であり、運動能力、学力も必須として求められる。その上で、3年以上の実務研修及び1週間かけて行われる”国家試験”に合格することが必要である。
当然、幼い頃から人をくすぐる訓練や教育を受けている方が国家試験を突破しやすい。従って親がくすぐり拷問師であれば子供もくすぐり拷問師になれる可能性が高い。
言わば世襲制のような内情があることに対して、国民から抗議の声が大きくなっていった。
そこで、政府はその声に耳を傾けてくすぐり拷問師を育てる為の養成機関を作った。
表向きは幼稚園から高校までの一貫した女子校となっている。全寮制の学校となっており、入学した女の子たちは厳しい寮生活と学校でのくすぐり訓練に明け暮れる日々を過ごす。
広大な敷地に建てられた学園は、周囲を高い外壁で隠されており、関係者以外立ち入ることは許されない。
生徒たちもまた、入学後に”脱走”することは赦されない。
毎年厳しい教育に堪えかねて学校を脱け出そうと画策する生徒が数名現れるが、成功した者はいない。
見せしめとして全校生徒の前で教員によるプロのくすぐり拷問が行われる後、クラスメイトや高等部の先輩たちに気が狂うほどくすぐられて躾られることになる。
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1年生棟、2年生棟、3年生棟と呼ばれる寮の中央に、円形の建物が存在している。
まるで周囲から監視されているように感じる建物は、囚人の刑務所の役割を兼ねている。
くすぐり拷問師を養成するための授業で用いられる「生きた教材」として多数の犯罪者や、多重債務者の男たちが収容されている地下牢獄。
犯罪者が無断で外に出ることも、生徒が無許可でこの建物に立ち入ることは禁じられている。
各フロアには女性刑務官の他、三大国家資格の一つである”くすぐり執行官”の女性も少数ながら滞在している。
各部屋は綺麗な個室となっているが、男たちは”服を着る”ことは許されておらず、基本的に全裸での生活を強制される。
逃亡防止のため、いつでもくすぐりやすい状態にしておくことで反抗の意志を削ぐ目的がある。
また、女性刑務官や女子生徒たちに裸を見られるという羞恥心を植え付けることで、”男性は女性には逆らえない”のだという揺るぎない事実を精神に叩き込ませる。
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双子のくすぐり執行官
くすぐり拷問師を養成する学校の中に存在する数少ない”くすぐり執行官”。拷問師と並んで国家資格の中でも重要な位置付けにあり、厳しい選抜試験を突破した者だけが執行官の職に就くことができる。
ただし、”くすぐり拷問師”創設期と同様に、”くすぐり執行官”という国家資格が誕生した際には人手不足を補うため、簡易的な処置を採用していた。
すなわち、経歴は問わず実技試験のみでくすぐりの腕前を判断することとなった。
当時、政府の高官として国家資格創設を主導していた「美咲」は、くすぐり執行官を募集した際、いち早く応募してきた”双子”の女性と会うことにした。
翌日、美咲が指定した場所に2人の奇抜な女性が現れた。
どちらも背が高く、180…いや、185cmは越えているだろうか。整った顔立ちはそっくりな様子を見ると、昨日応募してきた双子で間違いはないだろう。
一応面接の場所であるというのに、1人は黒い光沢のあり露出が多いSM嬢を思わせるスーツ姿であり、もう1人は何故か浴衣に下駄を履いている。
「昨日応募したミアだけど。くすぐり執行官?って何すればいいのかしら?」
SMスーツ姿の”ミア”と名乗る女性は、長髪で露出した腕や太ももには引き締まった筋肉が付いている。何か格闘技でもやっていたのだろうか…?この体格であれば並の男性ならすぐさま制圧できるだろうと美咲は考える。
「お初にお目にかかります。妹のメアと申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。」
もう1人、”メア”と名乗る金髪ショートヘアの女性は丁寧な口調で挨拶をする。まるで、海外から観光に来た外国人のような印象を受けるが、一見優しそうな目の奥に男性を支配してやまない感情が渦巻いているのが見えた。
この日は、実技試験を行う予定だ。
美咲は会場へと、双子の姉妹を案内する。
ガラス張りの白い部屋の中には”拷問済み”の若い男性が拘束台の上に全裸で寝かされている。
目隠しを付けられ、両腕をピンと真っ直ぐ伸ばした状態で手首や肘を固定され、両腿、両膝、両足首も厳重に拘束されている。足の指は1本ずつ丁寧に固定され、無防備な足の裏がピクピクと震えている。
「ふ~ん?ねぇ、今からコイツをくすぐればいいの?」
軽い口調で質問するミアに対して、苛立ちを抑えながら試験内容の説明を行う美咲。
「ああ、その通りだ。その男は拷問済みの犯罪者の男性だ。試験内容は”くすぐりで気絶させること”。制限時間は30分とする。ローションなど、そこに置いてる道具は好きに使っていい。何か質問はあるか?」
ニヤニヤと余裕な表情になるミアと、試験内容が簡単だと感じたのか、拍子抜けた顔になるメア。
「え?それだけ?気絶させるだけでいいの?簡単なんだけど~♪」
「くすぐりで気絶さえできればいいのですよね?途中快楽責め等性器への刺激は行ってもいいのかしら?」
「ん?ああ。構わない。…質問は以上か?」
「ええ。早くこちょこちょしたくて指が疼きますわ♪」
ワクワクした様子の双子。
美咲はカードキーで部屋の扉を解錠する。
**
「ひっ!?だ、誰だよ…お、お願いだから助けてぇ…」
扉が開き、誰かが部屋に入ってきたことを察知した男は、一か八かという思いで必死に”何者か”へと懇願する。
「ふふっ♪ね~メア~?コイツ私たちに向かって助け求めてるよ♪今から”処刑”されるっていうのに。本当、男って滑稽で惨めだよね?」
「お姉様だめですよ。この男だって必死に生きてるんだから。最も、私たちにくすぐられて処刑される惨めな運命には変わりありませんけど。」
拘束台の小脇に置いてあるローションの入ったボトルを手に取り、迷うこと無く男の身体に垂らして満遍なく塗り込んでいく双子。
「ひゃっ!?ひぃっ!?な、何を…や、やめっ、お願いっ、も、もうくしゅぐったいのは嫌だ…!!」
「チッ。ごちゃごちゃうるせー男だな。悪いけど手加減しないから。今のうちにたーくさん”息”しときなよ?」
姉のミアは上半身に、妹のメアは足下に立って足の裏にたっぷりとローションを塗り込んでいく。
「準備できましたわお姉様。時間もありませんし、私も手加減無しで責めて差し上げますね♪」
目隠しされている男からは見えないが、優しい口調のメアは溢れんばかりのサディスティックな笑みを浮かべていた。
__制限時間は残り27分。
双子は同時に男の身体へと悪魔のような指を伸ばす。
「ひっっ!?や、やめっ、いっぎゃぁぁぁっぁぁっっぁぁぁぁっぎゃぁぁぁぁぁっぁぁっあははははははははははははひはははははははははは!!!ひゃめでぇぇぇっぁぁぁっぁぁぁっあははははははははははは!!じぬぅぅっゆるじてぇぇぇっぁぁぁぁぁっげほっ、ごほっ、ぁぁっっ!!!」
ぬるぬるとローションで光る身体を、くすぐりで蹂躙していく双子。
ミアは腋の下の窪みへと指を這わせて5本の器用な指先で素早くこちょこちょカリカリと責め尽くしていく。
メアはしっかりと固定された無防備な足の裏を、爪でガリガリと引っ掻くように土踏まずをこちょこちょとくすぐり、ヌルヌルの足裏に絶望的なくすぐったい感覚を与え続ける。
拘束された男は一瞬でパニック状態となり、奇声のような笑い声を上げている。
顔はあまりのくすぐったさと恐怖でぐしゃぐしゃになり、目から涙が溢れ落ちて口元からは情けなく涎が垂れている。
「ほらほら、こちょこちょこちょ。さっさと気絶しろよ?」
「ふふっ♡お姉様ったら意地悪ですわね。どうせ時間ギリギリまで気絶させてあげないくせに♪」
双子の姉妹は決して手を抜いてくすぐっている訳ではない。
しかし、その言葉通り”決して簡単には気絶させない”。
どこをどうやってくすぐれば男を苦しめさせることができるのか、双子は知り尽くしていた。
あまりのくすぐったさに男が酸欠で気絶しそうになったらミアが首筋や乳首を優しくこしょこしょと愛撫し、妹のメアがローションで濡れた亀頭へと掌を重ねて優しく撫でまわして絶望的な快感を与える。
「っっぎゃぁぁっんぁぁぁぁぁっぁぁぁっそ、それひゃめっぁぁぁっげほっ、ごほっ、ぁぁぁぁっおかじくなるぅぅぅぁぉぁぁぁぁぁっあ、頭へんになるぅぅぅぁぁぁぁぁぁっごろじでぇぇっぁぁぁぁも、もうゆるじでくださぃぃぃぃぅぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
喉が枯れるほど強制的に笑い叫ばされ、何度も何度も許しを乞う男を、楽しそうな笑みを浮かべて[[rb:嫐 > なぶ]]り続ける双子。
もどかしい快感を男に与えることはあっても、決して射精はさせない。くすぐったさに身体を慣れさせないために、僅かな快感をエサにして男の絶望的な表情を貪り尽くす。
簡単には気絶させず、男の弱いところをねちねちとくすぐり続けていく。2人がかりで足の裏にブラシを当ててゴシゴシと磨き上げ、ローションを追加してお掃除する。
白い部屋には男の悲鳴のような絶叫。
狂ったように何度も「ごめんなさい」を繰り返しながら、男はタイムリミットの時間”数秒前”まで悪魔のようなくすぐったさを与え続けられたのだった。
**
美咲が部屋に入ると、男は拘束台の上でだらりと舌を出して白眼を剥いて気絶していた。
汗やローションで濡れた身体から蒸気が立ち上ぼり、全身ピクピクと小刻みに痙攣している。
「あ~楽しかった。やっぱり男くすぐるのって最高だよね~♪」
「制限時間内に気絶させましたが、これで合格なんですよね?美咲さん?」
満足気な顔で手に付いたローションをタオルで拭き取るミアと、冷静な表情のメア。
…くすぐりの実力は申し分ない。
“くすぐり執行官”として、充分職務を果たしてくれるだろう。性格の面で多少気になるところはあるが、美咲は双子に合格を与えることにした。
それから双子は、初の”くすぐり執行官”として政府の管理下で働くこととなる。
全国民へ向けた犯罪者の”公開処刑”を行う生中継の際にも、くすぐり執行官の一員として任務を行った双子。
しかし、次第に姉のミアによる奔放な性格が仇となり、度々チームのくすぐり執行官と衝突することが多くなった。
妹のメアも、身勝手な行動が多く拷問予定の男を拘束している独房へと勝手に侵入し、危うく笑い死にさせる程くすぐりで弄んで自分のサディスティックな欲望を満たしていた。
美咲は双子に対して謹慎処分を与えたがあまり効果は無し。”くすぐり執行官”の資格を取り上げることを考えたが、「くすぐりの実力があれば利用できる」という総理の反対もあり、ある場所へと左遷することに決めた。
“くすぐり拷問師”を養成する学校。
実力のある国家資格者を増やすことを目的として建設された学校には、教材となる”男”を収容する刑務所が存在する。
署長という肩書きを双子に与え、”くすぐり執行官”として刑務所にいる男を管理させる他、教師として授業をさせてみよう。
上手く双子に責任感が芽生えて性格が改善されればそれで良い。本来の”くすぐり執行官”のチームに戻すことも考える。
しかし、それでも何か問題を起こすようであれば…
「次は無い。」と、総理は美咲に伝令していたのであった。
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双子に気に入りられた青年
「生きた教材」である男性に、人権なんて無い_。
あの”双子”がこの学園にある刑務所の署長となってから、囚人達の空気が変わった。
残虐な性格をしている双子の”くすぐり執行官”という女性。
基本的に囚人がくすぐられるのは授業が行われる時間帯と決められている筈なのに、授業終わりの時間にも何かと文句を付けられて刑務所内で躾と称した”くすぐり”が行われる。
「刑務官への返事の声変わり小さい」
「食事を食べるのが遅い」
「反抗的な目をしている」
理由は何でもいい。
ただ、無抵抗で無防備な裸の囚人を捩じ伏せて泣いて漏らすまでこちょこちょくすぐる”ミア”と呼ばれる女性。
口調は優しいけど、指1本抵抗できないように縛り上げて徹底的にくすぐるサディスティックな”メア”。
双子は到底”くすぐり執行官”とは思えないような服装をしているが、その腕前自体は確かなようだった。
特に双子が目を付けているのは、とある青年だった。
年齢は20歳。身長175cm。
「政府への反抗を企てた」として逮捕され、現在くすぐり拷問師の養成学校内にある刑務所に収監されている。
青年と双子の新しい署長が対面した日。
独房の各部屋に挨拶代わりのくすぐりを行っている声が嫌でも聞こえてくる。
隣の独房から聞こえる悲鳴のような笑い声に、身震いを隠せない青年。
段々と笑い声が小さくなって、最後には完全に聞こえなくなってしまった…。
(次は自分の番だ……)
下手に目を付けられないための抵抗として、正座で精一杯姿勢を正す。
目を閉じて待っていると、ピタッと足音が部屋の前で立ち止まる。
ガチャリ、と鍵が開く音。
「…おい。私たちがわざわざ挨拶に来ているのに、何でお前は目を瞑っている?」
「まあまあ、お姉様。若くて顔もいいですし、たっぷり可愛がってあげましょうよ♪」
青年が目を開けると、異質な2人の女性がいた。
どちらも同じ顔、同じ身長で180は越えているだろうか…。
1人は光沢のある黒いスーツ姿、もう1人は何故か夏祭りのような浴衣に下駄を履いている女性だった。
(これが…新しい刑務所の署長なのだろうか…?)
唖然として正座している青年に近寄り、ニヤニヤと見下ろす女性たち。
「私はミアという。今日からこの刑務所の署長になった。貴様も他の囚人と同じように、たっぷり可愛がってやるから安心しな?」
「私は双子の妹、メアと言います♪一応、これでも姉妹揃って”くすぐり執行官”の資格を持っているの。よろしくね?」
「よ、よろしくお願い…ひっ!?や、やめろ……!!」
青年が口を開いた瞬間、力ずくで身体を押し倒して仰向けの万歳した状態で押さえつけるミア。
腕の上にしっかりと体重をかけて青年の顔を鍛えられた太ももで挟み込み、冷徹な目で見下ろす。
そして、妹のメアは青年の腰の上に馬乗りして、同じくしっかりと体重をかけながら脚で華奢な胴体を挟み込んで逃がさない。
いくら若い男性とはいえ、体格差のある女性2人に本気で取り押さえられると、抵抗しようにもビクとも脱け出せそうにない。
「あら?お姉様、この子ったら脱走を図ろうとしていますわ。悪い子には罰が必要ですね♪」
「分かっているとは思うが、脱走は重罪だぞ?大人しくしないのであれば、厳しい処罰を与えねばならないなぁ?」
青年の目の前で、双子の器用な指先をワキワキと動かして見せつける。
「ひっ!?やめっ、やめろ……!!ぁっ、ぎゃぁぁぁっぅぁぁぁぁぁっぁぁっあははははははははははははは!!!いひゃぁぁぁっぁぁぁっぁぁっあははや、やめっ、やめでぇぇっぁあぁぁぁっぁぁっくひゅぐっだぃぃっぁぁっぁぁっやばぃぃっぁぁぁっお、おかじくなるぅぅっぁぁぁぁっぁぁっ!!」
無防備に開かれた腋の下に指を這わせて、窪みを執拗にこちょこちょとくすぐる双子の姉。
まるで別の生き物かのようにウネウネと動く器用な指先が腋に触れた瞬間、ぐるんと青年の目が白眼を剥くほどくすぐったい刺激が全身を駆け巡る。
一瞬のうちに青年の顔は涙や涎でぐしゃぐしゃになり、恥ずかしい姿で情けなく笑い狂っている。
その姿をニヤニヤと上から覗き込むミア。
「あらあら、口の聞き方がなってないですわね。笑い声とごめんなさいしか言えない身体に調教してあげましょうか?」
妹のメアも、姉に負けず劣らずのくすぐり技術を持っている。青年の脇腹をこしょこしょと指先でくすぐりながら、確実に”くすぐったいツボ”を探り当てる。
そして、指の腹に力を入れて容赦なくモミモミとツボを刺激する。
「ひぎぃぃっぁぁぁっ!?ぁぁぁっぎゃぁぁぁっぁぁっあはははははははははははははは!!ごめっ、ごめんなざぃぃぃっぁぁぁっげほっ、ごほっ、ぁぁぁっぁぁっじぬっぅっぁぁぁぁっぁぁっあひゃぁぁっくるじぃっぁぁぁっ!!ごめんざぃぃぃっゆるじでぇぇぇっぁぁぁぁっ!!!!」
青年の苦しそうな悲痛な笑い声が刑務所内に響き渡る。
あまりのくすぐったさに反抗する気力はすっかりと奪い取られていたが、無意識のうちに身体が何とかくすぐったさから逃れようとして抵抗してしまう。
唯一自由な足をバタバタとさせ、地面に打ち付けていると…
「あら?お行儀の悪い足ね。二度と歩けないようにして差し上げましょうか?」
メアはくるっと反対を向いて、今度は両膝の上に馬乗りして固定する。関節を押さえられて大人しくなった足首を腕で挟み込んで、足の裏を指先でこちょこちょこちょ。
敏感な土踏まずを爪先で引っ掻くようにガリガリとくすぐり、足の指の付け根を指先でこしょこしょいじめる。
新たに加えられた我慢できないくすぐったさに、青年はよりいっそう苦しそうな笑い声を響かせる。
「ぎひゃぁぁぁっぅぁぁぁっごめんなひゃぃっぁぁぅぁっあははははははは!!ひぃぃっっくひゅぐりひゃらぁぁぁっゆるじでぇぇっぁぁぁぁぁっぁぁっあははははははははははははははははははは!!!!」
どんなに青年がくすぐったそうに苦しそうに笑い狂って涙を流していても、決してくすぐる指を手加減することはない。
“罰を与える際は手加減してはならない”
というのは、くすぐり執行官において基礎中の基礎である。
むしろ、双子に関して言えば手加減するどころか、青年が苦しそうな表情で笑うことで、サディスティックな一面に火をつけるだけであった。
段々と、青年の笑い声が小さくなっていく。
「ひっ…あはっ、あはっ…あへっ、ひっ…ぅぁっ………」
完全に白眼を剥いて、ピクピクと身体を小さく震わせている。
双子がようやく指を離した時には、青年は失禁して気絶していた。
「今日のところはこのくらいで勘弁してやろうか。」
「ええ、そうしましょうかお姉様♪」
__15分。双子が部屋に入ってから僅か15分の出来事。
気絶した青年を満足気な表情で見下ろしながら、双子のくすぐり執行官は次の囚人部屋へと”挨拶”をしに向かった。
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授業の時間
“くすぐり拷問師”を目指す女子生徒たちに向けて、学校では実践的な授業を行っている。
教鞭を取るのは、「くすぐり」や「拷問」技術に精通した現役の”くすぐり拷問師”が講師となることが多いが、例外もある。
例えば、生徒たちに「くすぐり調教師」や「くすぐり執行官」といった他の国家資格にも視野を広げてもらう目的でゲスト講師を招いて座学を行うこともある。
「くすぐり拷問師」は”拷問”を、「くすぐり執行官」は”刑の執行”に関する専門知識を教えることが慣例であるが、政府からの命令もあり、双子のミアとメアも特例講師として授業を受け持っていた。
意外にも双子は講師の仕事を面倒だと思わず、「それも面白そうだ」と言った様子で授業を行っていた。
**
広い倉庫のような教室。
体操服を着た中等部2年生の女子たちが、整列して静かに待機している。
1限目の授業は実践形式で男を捕縛してくすぐり拷問にかける内容だ。
担当するのは姉のミア。
この学校で講師は軍服のような制服を着ることが通例であるが、普段通りのSMスーツを身に纏っている。
そして、”教材”となる男が教室に運ばれてくる。
この学園において囚人の主な役割は、”生きた教材”として授業で扱われることだ。
この日連れてこられたのは若い青年。
ミアとメアが署長になった初日、密かに目をつけてお気に入りとなっていた青年は、ミアの顔を見るだけで真っ青になる。
ちなみに姉のミアが午前中授業を行っている間は、妹のメアが刑務所署長の役割を担っている。
午後になると、今度はミアが刑務所での仕事を行い、メアが生徒たちに授業を行う。
厳つい見た目や言動からミアは生徒たちに恐れられているが、経験豊富なミアの授業は実践的で勉強になると評判は良かった。
全裸の状態で後ろ手に手錠をかけられた青年が、刑務官によってミアの前に引き摺られていく。
「手錠を外しておけ。」
ミアが短く刑務官の若い女性に命令する。
手錠を外された青年。
逃げようと思えば逃げられる状況ではあるが、失敗して捕まった時にどんな惨い目に遭うか考えると躊躇してしまう。
その一瞬の隙に、教官であるミアは乱暴気味に青年をうつ伏せの状態にして背中に馬乗りし、片手で後ろ手に取り押さえてしまう。
もう片方の手で首の後ろを押さえて、完全に制圧する。
「ほら、どうした?逃げたければ逃げてもいいぞ?」
「ぐっ…くそっ……!!」
身体に力を入れて抵抗しようとするが、しっかりと体重をかけて馬乗りされて腕や首を固められてしまうと、いくら若くて健康な男性とはいえ脱け出すことはできない。
青年の無駄な抵抗をニヤニヤと見下ろすミアと、真剣な表情で見守る生徒たち。
やがて抵抗しても逃げられないと悟ったのか、青年は身体に入れていた力を抜いた。
「どうした?もう終わりか?…まあいい。今日の授業は拷問予定の囚人が脱走しようとした想定で行う。無いとは思うが、例えばくすぐり拷問中に拘束が外れて男性を取り逃がすようなことが起これば、くすぐり拷問師でも即処罰となる。そうならないために、男性を組伏せて制圧し、くすぐりで抵抗力を奪う技術も必要となる。」
青年を組伏せたまま、授業の説明を行うミア。
実践的な内容に、生徒たちは皆興味津々といった様子だ。
「では今から簡単なゲームをしようか。貴様にもチャンスをやろう。」
「いてて…ぐっ……!」
青年の髪を引っ張り、耳元で囁くミア。
「今から生徒たちとこの部屋の中で鬼ごっこをしてもらう。30分逃げ切れたら貴様の勝ち。この学園から逃がしてやってもいい。生徒諸君はこの囚人を全力で捕まえて、取り押さえ、逃げる気力や体力が無くなるまでくすぐれ。以上だ。」
「なっ…えっ……?」
困惑した表情の青年。
まさか、刑務所の署長である女の口から「逃がしてもいい」という言葉が出てくるとは思わなかった。
30分逃げ切れたら解放されるという言葉は、青年に希望を抱かせるのに充分だった。
その希望も、粉々に砕き壊されるとも知らずに。
フッ…と青年の身体が軽くなる。
馬乗りしていたミアが離れたようだ。
「では今から鬼ごっこを始める。よーい、スタート!」
青年はのそのそと起き上がり、出口の方向へと一気に走り出す。しかし、それよりも速く、女子生徒たちが青年の身体に手を伸ばす。
「くそっ!?やめっ、は、離せよ!!!」
青年の肩や腕を掴み、力ずくで床に押し倒そうとする女子たち。何とか抵抗しようとするも、普段から鍛えている運動神経抜群の女の子に多勢に無勢で囲まれてしまえば、男とはいえ無力な存在であった。
女子生徒たちは青年の無防備な首筋や脇腹をさわさわとくすぐってじわじわと抵抗を奪っていく。
そして、青年の抵抗空しく仰向けの状態で取り押さえられてしまった。両腕の上に1本ずつ女の子が馬乗りして、しっかりと体重をかけて押さえつける。
太もも、両足首の上にも女子たちが跨がり、脚や手でしっかりと固定して押さえつけている。
自分よりも年下の女の子たちに情けなく取り押さえられて全身押さえつけられ、自分がいかに無力な存在であるかを身体に分からされてしまう。
「くそっ!!はなせっ!この!女のくせに!!」
青年の余計な発言に、それまでお遊び感覚でニヤニヤと取り押さえていた女の子たちの表情が一気に真顔になる。
「生意気な奴だな。手加減はいらないから、きっちり躾してやれ。」
教官の一声で、青年の身体に100本以上の指が一斉に襲いかかる。
「ひっ!?やだっ!!やめっ、ぎゃぁぁっぁぁっあはははははははははははははははは!!!ひぃぃっひゃめでぇぇぅぁぁぁっぁぁっぎゃぁぅぁぁぅぁぁっあははははは!ひぃぃっやめろぉぉっぁぁっくひゅぐっだぃぃっぁぁぁぁっ!!」
頭を太股で挟まれて固定され、首筋をねちねちとこちょこちょくすぐられる。
力ずくで無理やり開かれた腋の下にも指が殺到し、敏感な窪みを指先でこちょこちょカリカリと責められる。
脇腹やお腹を複数の指でこしょこしょモミモミと容赦なく責められ、上半身には余すところなく指先が這いまわる。
足首の上に馬乗りした女子は、足の指を反らすように片手で掴んで固定し、爪でガリガリと土踏まずをくすぐる。
全身を襲うくすぐったさに我慢できず、必死に抵抗して逃げようとするが少女たちは連携して押さえつけ、逃がさない。
弱いところを余すところなくねちねちとこちょこちょされ、体力を奪われていくだけであった。
「はぁっ…はぁっ……はぁっ……」
教官の指示でくすぐりが中断し、僅かな休息を与えられる。
身体を押さえつけていた女の子たちが距離を取る。
「もう一度だけチャンスをやる。ほら、今のうちに逃げた方が身のためだぞ?」
「なっ……ひぃっ!?」
フラフラと立ち上がり辺りを見渡すと、女の子たちが遠巻きに自分を取り囲むようにして指をワキワキ見せつけながらじわじわと距離を縮めていた。
次捕まったら……考えるだけでも身震いがする。
一度深呼吸をして、本当にここから「逃げる」つもりで出口の方向へと走り出す!!
すぐさま女の子たちが走って追いかけてきて、腕を掴まれそうになるが乱暴気味に振り払って構わず駆け抜ける。
後少しで出口だ…!!
しかし、扉を開けようとするがピクリとも動かなかった…
「くそっ…!!なんで開かないんだよ!!っっひぃっ!?ひゃぁっ!!やめっ!は、離せっぁぁっ!!ひゃらっ!ひぃぃっぁぁぁっぁっあはははははははははははは!!ぎゃぁぁっぁぁぁっぁぁぅあはははははははははははははは!!」
扉の前でモタモタしていると、追い付いた少女たちが一斉に飛びかかって取り押さえようとする。
いくら抵抗しようとも多勢に無勢であり、無防備なところをくすぐられながら惨めに情けなく再び大の字で押さえつけられてしまった。
関節を固定され、しっかり体重をかけて馬乗りされる。
頭も太ももで挟まれて固定され、抵抗を許されない状態で容赦なく指先で全身をこちょこちょとくすぐられる。
首筋も腋の下も脇腹もお腹も足の裏も、感じるところ全てに指が這いまわり頭がおかしくなるほど笑わされる。
さらに、太ももや脚の付け根といった際どいところもこしょこしょと撫でられ、ぺニスの裏側をさわさわくすぐられる。
「あひゃぁぁっぁぁっあひぃぃっぁぁっひゃめろぉぉっぁぁっこのぉぉへんたぃぃっぁぁぁっっ!!ガキのくせにぃぃっぁぁぁっぁぁっあはははははあ、後で覚えてろぉぉっ!!」
男性の恥ずかしくてくすぐったいところをねちねちと触られ、感じてしまい思わず恥ずかしさから生意気なことを口から漏らしてしまう。
それを聞いた女の子たちは、少し怒った表情で体重をかけ直してしっかりと四肢を押さえつける。
ぺニスを優しくこしょこしょしていた女の子は、さっき強く振り払った人だった。
くすぐって無理やり勃起させられ、亀頭にペッと唾を垂らされる。そして、手のひらで敏感な亀頭をゆっくりとなでなでいじめられる。
「ぎゃぁぁぁっ!?ぁぁぁっひゃめっ!!ぁぁぁぁっそれひゃめでぇぇっぁぁぁっぁぁぁぅごめっっぁぁっごめんなざぃぃぃっぁぁぁっ!!そ、それキツイってばぁぁぁっひゃめでぇぇぇっゆるじでくださぃぃぃっぁぁぁぁっ!!」
あまりに強烈な刺激とくすぐったさに、腰がビクンビクンと跳ね上がってしまうが、女の子たちに強く押さえつけられてしまう。
全身を責める指も全く手加減してくれるような気配は無く、それどころかよりくすぐったく感じるように責められる。
加減を知らない年頃の女の子たちは、相手が少しでもくすぐったいと感じる場所や、絶対に男性が我慢できないであろう性器への責め方も身に付けているようだった。
結局、授業が終わる時間ギリギリまで押さえつけられたまま容赦なくこちょこちょされ続けた。
決してイカせては貰えず、暴力的なくすぐったさのみを与え続けられ発狂寸前にまで弱らされ、ようやく解放された頃には半ば白眼を剥いて全身汗だくでピクピク痙攣して「ごめんなさい」を繰り返していた…。
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脱獄計画
午前中に「教材」として使われたのは、結局その1授業のみであった。
刑務官に連行されて刑務所にある独房へと戻り、午後の授業が始まるまで休息が与えられた。
他の囚人は1日に最大で4コマの授業に出ることもあるらしい。この刑務所に入れられてからつくづく思うが、まさか「くすぐり」がこれ程までに辛くてしんどいものだとは思ってもみなかった。
警察に捕まるまでは「所詮子供の遊び」だと他の仲間たちと余裕ぶっていたが、その考えが甘いものだと「くすぐり拷問師」の手ですぐさま身体に刻み込まれていった。
さっきの授業も、”くすぐりのプロ”と比べるとまだまだに感じるが、日に日に身体が敏感になっていく、くすぐりへの恐怖を感じる。
……このまま、この刑務所に収監されて平日は「教材」として毎日女子生徒たちにくすぐられ、休日はあの恐ろしい双子の”くすぐり執行官”にこちょこちょ玩ばれる生活を送っていたら、いずれ自分は廃人のようになってしまうのではないか。
そう考えるだけでも恐ろしい…。
だったら、いっそのこと「脱獄」してどこか遠くに逃げた方が身のためではないか?
しかし、この刑務所の警備は厳重だ。
独房の中では自由に動きまわれるとはいえ、「教材」として校舎に向かう時には必ず拘束される。
脱獄するチャンスがあるとすれば……昼食後だ。
まずは疲れきった体力を回復して、脱走するための英気を養う。
午後の授業が始まる前、すなわち囚人が護送されるタイミングを狙う。刑務官が鍵を開けた瞬間、襲いかかって逃げればいい…。
問題は、無事に地上までたどり着くことができるか。
もし仮に刑務所の外に出たとして、高い壁で囲まれた敷地の外に逃げ出せることができるのか…。
粗削りな脱走計画。
もし失敗したら……捕まったら……
考えるだけでも恐ろしいが、このまま「教材」として毎日毎日くすぐられる日々を過ごすよりかはマシだと信じたい。
今日は確か…午後から双子の妹…メアという女性が担当する授業の日だ。
講師であり、一応刑務所の刑務官であるメア自ら囚人を護送する。姉のミアは一目見ただけで筋肉質な体格をしているが、妹のメアはそうでもない。
身長は姉と同じくらい高いけど、いつも何故か動きにくそうな浴衣を着ている。
メアになら…勝てるかもしれない…!!
キーンコーンカーンコーン…
正午になった。お昼休憩の時間を告げる鐘の音が聞こえる。
廊下から台車の音。
各独房に昼食が配膳されている。
鉄格子の下から、昼食が乗ったトレーを受け取る。
ここの刑務所に来て驚いたことは、思いの外食事が豪勢なことだった。
「教材」として体力が求められるため、ご飯や肉料理、精のつくものが配布される。
今日のメニューは、カツ丼にとろろそばであった。
「いただきます…」
午前中の授業でかなり体力を消耗していたが、ご飯を食べていく内に回復してくるような味だ。
一心不乱に食べ進め、少し身を休める。
“脱獄”に向けて、深呼吸をしながら心を落ち着けていた。
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脱走を企てた末路
“絶対にここから脱獄してやる”
心の中はその気持ちで埋め尽くされていた。
刻一刻と、昼休憩の時間は終わりに近づいていく。
カタン、カタン……
(来た…!!)
廊下に、下駄の足音が響いている。
双子の妹、メアが自分のいる独房へと近づいてくる。
そして、ピタリと足音が止まった。
悟られないように、身体に力を込める。
「お待たせ~♪午前中大変だったみたいだけど、ゆっくり休めたかな?そろそろ午後の授業教室に…きゃぁっ!」
鉄格子の鍵を開けて、メアが拘束するため部屋に入ってきた瞬間一気に襲いかかる。
完全に気を抜いて油断していたメアの浴衣の袖を掴んで無理やり地面に押し倒す。
その隙に部屋を出て、通路を駆け抜ける!!
「おいっ!!何している!止まれ!!」
脱走に気付いた刑務官たちは自分を取り押さえようと動くが、無理やり突破して真っ直ぐ進んで走る。
“捕まったら終わり”という恐怖に、一瞬頭が支配される。
ここまでは順調。
しかし、曲がり角に差し掛かろうとした死角から、何か固いものにぶつかってしまった。
「うわっ!!いてっ!!…ひぃっ!?」
反動で仰向けに倒れたところで刑務官に追い付かれ、直ぐ様うつ伏せに取り押さえられてしまった。
「これは何の騒ぎだ?…おい、メアはどこだ!!」
死角から現れたのは、一番出会いたくなかった相手、”ミア”であった。
何でここに…という疑問が浮かんだが、すぐに自分が間違っていたという致命的な計画の誤りに気付く。
午前中はミアが授業を行い、午後はメアが授業を行うということは、午後から刑務所の見張りを行うのはミアに他ならない。
ガチャリ、とうつ伏せに取り押さえられたまま刑務官に手錠をかけられる。
「お、お姉様…」
妹のメアが恐る恐るメアの元に歩いていく。
いつも余裕な顔をしている妹も、姉には逆らえないのか声が震えて真っ青になっていた。
「…これはどういうことか、説明してもらおうか?私がいなければこの囚人は脱走していたかもしれないんだぞ?」
「も、申し訳ございません…全て…私の不手際です…」
「ふん。まあいい。後でたっぷりお仕置きしてやるから覚悟しておけよ。…それよりも、お前だよ。貴様、自分が何をしでかしたのか分かっているのか?」
「…ぐっ…離せよ…」
ミアに髪の毛を引っ張られ、顔を覗き込まれる。
必死に反抗しようとするが、声が恐怖で震えてしまう…。
「…私ら双子が優しくしてやってるからって、あまり調子に乗るなよ小僧。…こいつを懲罰室に連れていけ。」
「い、いやっ…やめろっ……」
刑務官たちに無理やり起こされ、半ば強引に引き摺られるようにして連行される。
目隠しをされ、エレベーターが”地下”に動いていくのが分かった。
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地獄のくすぐり拷問
刑務所の地下にある”特別懲罰室”。
ここは、囚人の中でも特に重い罰を犯した者が連行される場所である。
薄暗い部屋の中央にある拘束椅子。
そこに、脱走を企てた無謀で愚かな青年が全裸の状態で四肢を拘束されていた。
両腕はピンと真横に伸ばした状態で手首や肘をベルトで固定され、両腿、両膝にも同様にしっかりと拘束されている。
そして、足の裏は特に厳重に拘束されていた。
足の指1本1本まで固定され、無防備な素足が不気味な電灯の下に晒されている。
「やめっ…やめて…頼むから……」
青年の顔は今にも泣きそうになっており、恐怖で全身が小刻みに震えている。
「…貴様も分かっている筈だが、脱走は重罪だ。それに加えて、メアへの暴力的行為も厳重に罰せねばならない。」
「私たち双子が優しく接してるからって、調子乗っちゃった?ここから逃げ出せると思った?舐められたものね。二度と逆らえなくなるまで徹底的にくすぐって恐怖を身体に刻み込んで差し上げます。」
怒りに満ちた双子の表情を見て、反抗する気力はとっくに消え失せていた。
足下に立つ双子は、透明の液体が入ったボトルを手に取り、青年の素足へだらりと垂らしていく。
「ひっっ!?ひゃめっ、な、なにして…っっ!!」
ヌルヌルとした拷問専用の特製オイルを、容赦なく足の裏に満遍なく塗り込んでいく。
手のひらで土踏まずをぬりぬり撫でられているだけなのに、くすぐったさを我慢できないのか青年の口から笑い声が漏れてしまう。
土踏まずに、ピタリと固いトゲトゲのようなものを押しつけられる。
「ひぃぃっ!?やだ…か、勘弁して……」
「脱走しようとする悪い足はいらないよね?二度と歩けないようにしてやるよ。」
「今日は徹底的に足の裏ばっかりずーっとくすぐって躾してあげる。覚悟はいい?」
足の裏専用のくすぐりブラシを手に持ち、焦らすように少しずつ土踏まずを撫でていく双子の姉妹。
オイルで滑りの良くなった足の裏をちょっと擦られる度、あまりのくすぐったさを予感して白眼を剥きそうになる青年。
そんな青年の様子を、ミアは冷徹な目で、メアは楽しむようにニヤニヤと見つめている。
静かな地下室に、青年の嗚咽と足裏をゆっくり撫でるブラシの音だけが響く。
カシュ……ゾリッ…ゴシッ…ゴシゴシゴシゴシゴシ!!
「ひっ……ひゃぅっ…ぁっっ!?ぁぁぁっぎゃぁぁぁぅぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁっぁぁぁっあははははははははは!!!ひぃぃっいぎゃぁぁぁぅぁぁぁっ!!ぁぁぁっびゃめっひゃめでぇぇぇぇっぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁっぎゃぁぁっあははははははははははははははははははははははは!!!」
オイルでぬるぬるテカテカになった足の裏に、ブラシの先端を押し当てて情け容赦なくゴシゴシと責め立てていく双子。
滑りの良くなったくすぐったくて敏感な土踏まずを乱暴気味にブラシで磨き上げるように細かくこちょこちょと動かし、痛みは無い暴力的なまでの純粋なくすぐったさのみが青年の身体を貫いていく。
くすぐったくても苦しくて、抵抗しようと手足に力を入れるが、頑丈なベルトはビクとも動かず青年を拘束椅子に囚え続ける。
「どうだ?くすぐったいか?二度と反抗などできないよう徹底的に足裏を責め続けてやる。」
「足の裏こちょこちょ~♪あはっ♡足の指ピクピク痙攣して面白いね~?二度と地面を歩けなくなるまでずーっとずーっとくすぐってあげるから安心してね?」
普段から目を付けている、お気に入りのいじめ甲斐のある青年をここぞとばかりに執拗にくすぐり尽くす双子。
いくら刑務所の署長とはいえ、授業外で正当な理由無く囚人をくすぐることは許されていない。
もしそんなことをすれば、小五月蝿い中央政府から目を付けられる可能性があるからだ。
そんな時に、あろうことか青年が脱走を企ててくれたのは内心悦ばしいことであった。
もちろん、脱走未遂とはいえ囚人を逃がしそうになったことに関して政府にバレたら…恐らく署長という役職は解任される恐れがある。
他の刑務官には後で口止めしておくとして…今は目の前にいる青年に対してたっぷりと”懲罰”という大義名分を与えることに愉悦を感じていた。
何度も何度もゴシゴシと足の裏をブラシで往復する。
何度も何度もオイルをぬりたくって滑りを良くする。
青年に用いているブラシは、拷問専用に作られた特注品だ。どんなに我慢強い男性でも、足の裏を一撫でされるだけで洗いざらい罪を自白してしまう代物。
もちろん、青年の両足にたっぷりと塗り込んでいるオイルもプロの拷問に使われる物だ。くすぐったい感覚が倍増する成分が含まれたオイルを何度も何度も塗り込まれ、徹底的にブラシで磨きあげられた足の裏は、懲罰が終わる頃には歩くことすらままならないだろう。
「あひぃぃっひゃだぁぁぁぁぅぁぁぁぁっぁあっぎゃぁぁぁっぁぁぁひぃぃっぎゃぁぁっあはははははははは!!ごめっごめんなじゃぃぃぃっごめんなざぃぃぁぁぁぁっゆるじでぇぇっぁぁぁぁっゆるじでぐだざぃぃっぁぁぁっじぬぅぅぁぁぁぁぁぁっぎひゃぁぁっあ、足の裏がぁぁぁっうぁぁぁっぁぁっお、おかじくなるぅぅぅぁぁぁぁぁっ!!!!」
青年の悲痛な笑い声が響き渡る。
あまりのくすぐったさに我慢できず、精神も限界に近付いて何度も何度もごめんなさいを繰り返している。
顔は涙や涎でぐしゃぐしゃになって、ビクンビクンと身体が大きく抵抗しようとする。
双子のくすぐり方も絶妙であった。
決してくすぐったい刺激に慣れさせないように、時々ブラシを置いて爪先でカリカリと土踏まずをくすぐって足の指の付け根を優しく撫で上げる。
右足をくすぐっているミアがソフトにくすぐっている時は、左足を担当するメアが容赦なくブラシで擦り上げる。
青年が気絶しないように、くすぐりに慣れさせないように、ピタッと双子は呼吸を合わせてくすぐりを止める。
「はぁっ…はぁっ…げほっ…ごほっ…ひぃっ、も…もう…やめっ……はぁっ…ひゃぁぁっぁぁぁぁぅきゃぁぁっぎゃぁぁぁっぁぁっぁぁっ!!ぞんなぁぁぁっいやだぁぁぁも、もうくひゅぐっだいのひゃめでぇぇおねがいだからぁぁぁぁっじぬぅぅぅぁぁぁぁっだれかぁぁぁったずけてぇぇぇっ!!」
「こちょこちょこちょこちょ~♪バーカ、止める訳ないでしょ?情けなくて恥ずかしい顔で笑い狂ってる姿、もっともっと見せてよ♪」
妹のメアは、青年をくすぐって追い詰めることが心底愉しくて仕方がない様子で言葉責めを交えながら足裏を執拗に責め続ける。
姉のミアは、冷静に。しかし、的確に弱いところを徹底的に容赦なく責め続けている。
これが拷問であれば、まだ青年にも救いがあったであろう。
最も、白状したところでサディスティックな双子がくすぐり責めを止める保証は無いが。
永遠にも思える程の”懲罰”が地下の中で続いていく。
青年が何度も何度も気絶しかけて、体力も精神も限界を迎えそうになった時、ようやく双子の手が止まった。
「ひっ…あへっ…へへっ…ひぃっ…あひひっ…あへっ……」
だらりと白眼を剥いて、口から舌を出してアヘアヘと涎を垂らしている。
手や足の指が小刻みにピクピクと痙攣し、散々ブラシでくすぐられた足の裏は真っ赤になってびくびくとしていた。
「お姉様、”懲罰”はこの辺にして差し上げましょうか?」
「あぁ。3時間ぶっ通しでくすぐり続けて、大切な”おもちゃ”がそろそろ壊れてしまいそうだ。」
手に付いたオイルをタオルで拭き取りながら、両側から青年の顔をニヤニヤと覗き込む。
汗に照らされた青年の身体を、濡れタオルで丁寧に拭き取るミア。一方メアは、口の中に水を含んで両手で青年の頬を挟み込んで顔を固定し、無理やり唇を奪って水を流し込む。
「んんっ!?んんっ、ごくっ、ごくっ…んんっ!?」
「んっ♡ちゅっ、れろれろ…♡」
朦朧としていた青年の意識が、段々と覚醒する。
冷たい水が喉を潤す。
エッチなリップ音を立てながら口の中をメアに舌でくすぐり犯され、自然と青年のぺニスが大きくなっていた。
「…メア。遊ぶのはその辺にしておけ。」
「ちゅっ、んっ♡…は~い、お姉様。」
ミアに注意され、ようやく青年の唇から舌を離すメア。
「ぷはぁっ、はぁっ…な、何を……」
青年は戸惑いながらも、ようやく地獄のような足裏責めが終わり身体を拭かれてキスをされ、満更でも無い表情をしていた。
「あら?この子ったら興奮しちゃってる~♪ふふっ、可愛いわね♪」
「っぁっ、ひゃめっ、ぁぁんっ、ぁぁっ!!」
不意に固くなったぺニスをメアに片手できゅっと掴まれ、優しく上下にシゴかれていく。
もう片方の手で玉袋や鼠径部をこしょこしょと意地悪にくすぐっていく。
散々足の裏をくすぐられた後で甘い天国のような快楽をその身に受けて、青年の喘ぎ声が大きくなる。
「ひゃぁっ、ぅぁっ、だめっ、だめぇぇっ、ぁぁっ!!いっ、イクっっ!!……ぁ…ぇ………?」
青年が射精しようとする寸前で、無情にもメアはぺニスから指を離してしまった。
「あら?どうしたの~?悔しそうな顔して、残念だったね~♪」
青年の憐れな姿を愉しそうにニヤニヤと見つめるメア。
一方ミアは、そのやり取りを少し呆れた様子で見守っていた。
「そうだ!ねぇお姉様?私たちの部屋でこの子を飼いましょうよ♪そうすれば毎日た~っくさんいつでもくすぐって遊べますわ♪」
「…さすがに署長とはいえ、そんなことをすれば政府の連中が黙ってないぞ。私たちが処分を受ける可能性だって…」
「も~、お姉様ったら心配性ですね♪大丈夫ですよ、この子は脱獄しようとした重罪人。私たちが責任を取ってしっかりと監視するという名目で一緒に暮らしましょうよ♪ね?君も私たちと暮らしたいよね?」
話を振られた青年は、何も答えることができなかった。
「あらあら、答えないんだ?だったら、『一緒に暮らしたい』って自分からおねだりするまでいじめてあげるね♪」
透明の液体が入ったボトルを手に取り、ぺニスの上からたらりと亀頭にかけていくメア。
「おい、メア。何をしているんだ?」
「大丈夫ですよお姉様♪ほら、お姉様は足裏へのくすぐりをお願いしますね?」
いつの間にか立場が逆転し、メアが指示を出している。
ヌルヌルとした液体をたっぷりもぺニスに絡ませながらシゴき上げ、再び固くなってくる。
そして、亀頭の上に手のひらを重ねて…
「…ひっ!?いぎゃぁぁぁっぁぁぅぁぁっあぁぁぅ!!!!ひゃめっぁぁぁっぎゃぁぁぁぅぁぁぁぁぉぁぅぁぁぁぁっ!!!!ぁぁっひゃめでぇぇぇぁぁぁぁっぞれひゃめでぇぇぁぁぁっきついってばぁぉぁっじぬぅぅぁぁおかじくなるぅぅぅ!!!!壊れるぅぅぁぁぁぁぁっ!!!!」
ぐちゅぐちゅ♡くちゅくちゅと厭らしく亀頭を執拗に撫で撫で可愛がるようにいじめ抜いていくメア。
ぺニスに襲いかかるあまりにも強烈な刺激に、青年は声にならない声を出してひぃひぃと悶え苦しむ。
両腕や両脚を拘束しているベルトがギチギチと音を立てる程、青年の身体は悪夢のような恐ろしい刺激から全力で抵抗しようとする。
無駄な抵抗へのお仕置きとばかりに、足下ではミアが青年の足裏にたっぷりとオイルを塗り直してブラシを両手に持ち、土踏まずをガリガリゴシゴシとくすぐっていた。
「ほらほらぁ、我慢できないでしょ?私たちと一緒に暮らしてくれるよねぇ?」
「ひぃぃっぁぁぁぁぁっぐらずぅぅぁぁぁぁぁっぎゃぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁっひぃぃぃっぐらじまずからぁぁぁぁっお願いだからぁぁぁぁっそれひゃめでぇぇぇっ!!」
「へ~私たちと暮らしてくれるんだ~♪それってなに?どこのことかなあ?子供じゃないんだからちゃんと答えないと…お仕置きだよ?」
亀頭を撫でていた手のひらに力が入る。
高速で円を描くように、ぐちゅぐちゅ撫で撫でと男性の敏感なところをねちねちと責め続けるメア。
あまりの辛さに、青年の顔は涙と涎でぐしゃぐしゃになっている。
「ひゃぁぁっき、亀頭いじめないでぇぇっぁぁぁっごめんなさぃぃぃぃっぁぁぁぁっも、もう悪いことじませんからぁぁぁぁぁぁっゆるじでぇぇぇっぁぁぉ、お、願いじますぅぅぁぁぁぁぁっおかじくなるぅぅこわれるぅぅちんちん壊れちゃぅぁぁぁからぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」
「ぷっ、あははっ♪まぁいいでしょう。この辺で勘弁して差し上げますね♪ほぉら、よく頑張ったね?」
「ぁっ…ぁぁっ…ひゃぅぅっ…ぁぁっ…!」
足裏へのくすぐり責めと亀頭責めが終わり、再びぺニスを優しく扱うメア。
地獄から天国。
青年の身体が快感で震え始める。
「ぅぁっ…ぁぁっ…気持ちいい…ぁぁっ…いっ…いくっ…」
「もうイッちゃうの?いいよ~♪ほら、出して?」
絶頂感が高まり、今にも射精しそうな青年に、優しい笑みを向けるメア。その顔を見て、今度こそ気持ちよくなれると完全に油断していた青年であったが…
「ひゃぁっ、も、もうだめぇぇっ!ぁぁっ、イクっ…」
カチッ。
しかし、青年が絶頂する寸前。
金属音が聞こえてくる。
密かにメアは貞操帯を用意しており、青年が射精できないように制限する。
玉袋や、ぺニス全体を硬い金属で覆われた青年。
希望に満ちた表情が、一気に絶望の色に黒く染まり始める。
「ふふっ♪ばーか。本当に男って愚かな生き物だよね。ちょっと性器を可愛がっただけですぐにトロトロになって信じきった表情しちゃって。素直に気持ちよくさせてあげるわけないでしょ?自分が囚人であり、脱走を試みた重罪人だってまだ自覚してないの?本当に可笑しいよね♪ねぇ、お姉様?」
「…あぁ。今日から貴様は私たちの家で管理する。もちろん、逃げられると思うなよ?」
「…ぁっ…そんな……ぁぁっ…」
あまりの絶望感に、自然と青年の頬に涙が滴る。
それからトドメとばかりに今度は全身をくすぐられ、次第に笑い疲れて気絶するように眠りに堕ちたのだった。
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青年と双子の末路
広大な”くすぐり拷問師”の学校。
敷地の中には生徒達が暮らす生活寮の他、講師や刑務官達が暮らす居住スペースがある。
その中の一角。周りの邸宅の中で大きな一軒家が、ミアとメアが暮らす家であった。
青年は邸宅の一室に監禁され、熾烈な双子のくすぐり責めを受けていた。
「ひぎゃぁぁぁっぁぁぁっも、もうゆるじでぇぇっぁぁぁっくひゅぐっぁぁぁぁぁぁっぁぁぁっひぃぃぃっひぃぃっぁぁぁぁぁぁっおかじくなるからぁぁぁぁっ!!」
全裸の状態でベッドに大の字で拘束され、相変わらず貞操帯を付けられて射精は許されていない。
メアに足の裏を徹底的にこちょこちょくすぐられ、ミアは青年の笑い悶える顔をニヤニヤ覗き込みながら腋の下や脇腹をねちねちといじめ抜いていた。
最初の3日間。
双子は青年を徹底的にくすぐって調教している最中だ。
万が一にでも、邸宅から脱走されてしまう訳にはいかない。もし青年に再び脱走されるようなことが起これば、今度こそ双子の首が飛ぶ可能性があるからだ。
とはいえ、囚人を政府に無断で自宅へと連れ出すことは当然許される行為ではなく、双子達は内心冷や冷やとしていた。
まずは、青年が二度と脱走しようなんて考えないように徹底的にくすぐり尽くして身も心も逆らえないようにする必要がある。
署長としての通常業務や講師の仕事がある時は、ミアかメア1人で青年をくすぐり尽くす。
夜になり、刑務所の夜勤業務が無い時は、一晩中2人がかりでたっぷりと青年をくすぐって可愛がっていた。
毎日、双子はへとへとになった青年をお風呂場に連行し、汗をかいた全身を泡でぬるぬるにしてくすぐりながら洗い尽くし、足の裏は特に丁寧に丁寧にブラシでゴシゴシと執拗なまでに磨き上げていた。
毎日お風呂場から聞こえる青年の悲鳴に、近くにある家から苦情が出そうな程だ。
**
3日を過ぎると、青年は拘束具を外され一室の中で軟禁されるようになった。窓の無い部屋。当然逃げ出すことはできない。
ミアとメアが青年を自宅に連れ出したことは、刑務官に厳重に口止めしていた。
しかし、講師として”くすぐり拷問”を教えている同僚は、秘かに怪しんで双子に目を付け始める。
高等部の職員室。授業の準備をするため、ミアが足を踏み入れると…突然複数の講師達に取り囲まれる。
「…おはよう。これは何の真似だ?」
「ミアさん。聞きたいことがありまして。そう言えば最近、あなた達が”教材”として使っていた青年の姿をここ数日見てないのですけれど、何かご存知ですか?」
「……さあな。私は何も知らない。話は終わりか?」
「そうですか…。仕方ないですね。では”本庁”でじっくりとお話を聞かせてもらいましょうか。」
バンッ…と職員室の扉が開き、黒い制服を着た女達が一斉にミアを取り押さえる。
「っ!?お前ら…くそっ、離せ!何でここに…!!」
身長もあり、筋肉質なミアを一瞬で床に捩じ伏せて取り押さえる女たち。後ろ手にガチャリと手錠を嵌めて拘束する。
「久しぶりね。ミア?」
ミアを取り押さえているのは、”くすぐり執行官”達だった。
皆、見覚えがある。この学園刑務所の署長となる前に、ミアとメアが度々問題を起こしていた相手だ。
「……くっ…メアはどうした?」
「あらあら。この状況でも妹の心配をできるなんて、素敵な”お姉様”だこと。とっくに身柄を押さえていますから、あなたも抵抗しないでくださいね?では行きましょうか。」
「くそっ……」
小さく呟くミアの悪態に、”くすぐり執行官”達はあえて聞かないフリをした。
……
双子の家に連れてこられてから、4,5日経った頃だろうか。
最初の3日間は、拘束されて四六時中くすぐられていたという記憶しか残っていない。
僕が逃げないと分かったのか、ようやく一室の中で自由に過ごすことを許された。
この部屋に窓は無い。時計も無い。時間は分からない。
永遠にも思えるほどの時間。ずっとずっとずっと、この屋敷であの悪魔のような双子の姉妹にくすぐられる生活を送ると考えるだけで、不安で不安で身体がおかしくなる…。
「おはよ~♪ほら、朝ごはん持ってきたよ。今日はミアが午前中授業だから、私がた~くさん遊んであげるね?いい子にしてたら射精させてあげよっか…あれ、誰か来た?」
ピンポーン、ピンポーン…ドンドンドン!!
玄関からチャイムが鳴っている音がする。
それに…扉を強くノックする音。
「少し見てくるから、ちょっと待っててね~…」
メアが一室から出ようとする前に、”向こう”から扉が開いて複数の女達が入ってくる。
「な、何よあんた…痛い!!やめっ!やめてっ!!お姉様ぁ!!助けてぇっ!」
黒い服を着た格好いい女達は、一瞬にしてメアを床に取り押さえて手錠で拘束する。
扉からはゾロゾロと見慣れた刑務官達が入ってきて、身動き取れないように僕も拘束されてしまった。
目隠しをされて無理やりどこかに引き摺られていくメアの断末魔が過ぎ去った頃、また一人誰かが部屋に入ってくる。
「やっほ~♪元気~?あらあら、貞操帯なんて付けられちゃって。可哀想だね~。うんうん。身体は元気そうかな?ご飯食べてる?」
「えっ……あっ…はい…。」
白衣を着た陽気な女性に、矢継ぎ早に質問される。
どうやら…僕は双子からは助かったようだ…。
だけど、囚人という立場には変わらないわけで、再び元いた独房へと連れ戻されてしまった。
“中央政府”の”美咲”と名乗る女性と面会し、話を聞かれる。
(あっ…この人には嘘を付けない…)
講師の拷問師より、誰よりもそう感じさせる人だった。
僕はあの双子についてや、脱走を企てたこと、地下で受けたくすぐりのこと、そして、屋敷に監禁されたことを洗いざらい白状した。
“脱走”に関しての処分は、あの双子の手で受けたとして今回は不問とされるようだ。
「これからも”教材”として貢献するように。」
と、一言その女性は僕に声をかけて立ち去っていった。
この刑務所や学園から、解放される日はまだまだ遠いようだった。
**
中央政府_某所。
無機質な部屋の中央に、磔にされた2人の女性がいる。
全裸に剥かれ、目隠しに口枷を付けられ手足を厳重に固定されている双子のミアとメア。
静寂の部屋には、黒の制服を着た”くすぐり執行官”10名。
群青の制服に身を纏う”くすぐり拷問師”のトップである”香子”を含む5名の女性。
それに、白の制服を着る”くすぐり調教師”が1人。
皆静かに姿勢を正し、ある人物の到着を待っていた。
コツ、コツ、コツと革靴の音が響く。
静かに開いた扉から、中央政府の主である女性総理と、国家資格者達を束ねる政府高官の美咲が姿を現す。
ビシッと、深々と頭を下げて出迎える女性たち。
総理は静かに、その真ん中を歩いて磔にされた双子の元に足を進める。
双子は未だ目隠しされているが、重圧な空気を前にして、誰が来たのかを把握する。
経験のある”くすぐり執行官”といえども、総理を前にすると恐怖で身体がガタガタと震えてしまう。
「…私、言ったよね?次問題を起こしたら終わりだよって。ねぇ、美咲?」
静かに口を開いた総理の声は、氷のように冷たくその場にいた全員に緊張が走る。
「はい。申し訳ございませんでした。」
その中で、1人だけ美咲だけは総理に対して淡々と返事をする。
「美咲から報告は聞いた。君達もさぁ、あんまり[[rb:中央政府 > われわれ]]を舐めるなよ。自分が何をしたのか、身を持って償ってもらう。以上。美咲、後は頼んだよ。」
「承知しました。総理。」
静かに、足音も無く”主”が立ち去る。
美咲は、淡々と女性達に命令を下す。
「”処刑”は後でいい。まずは余罪が無いか洗いざらい白状させろ。」
「はい。お任せください。美咲様。」
“くすぐり拷問師”を代表して香子が答える。
例え女性の国家資格者であっても、不正を働くことは許されない。
双子の悲痛なくぐもった笑い声を背に聞きながら、美咲は”くすぐり執行官”達へと指示を送っていた。
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【リクエスト作品解説】f/m至上主義の社会における「正しさ」について
FANBOXにてブログ記事形式の解説記事を投稿しております。
ご興味のある方は読んで頂けますと幸いに思います!