【試し読み】風紀委員の策謀

 

ジャンル:お姉ちゃんとの思い出 第二章 / 公開日:2023/03/13 / 販売価格:500円

       

お姉ちゃんが高校に入学して半月程経ったある日のこと。
どうやら学校で近々中間テストがあるらしく、勉強のため朝の9時頃から家に茜さんが来ていた。

「お邪魔しま~す!ねぇ香織の部屋行っていい?」

「狭いからだめ。リビングで勉強しよ?」

お姉ちゃんに促されてリビングにやって来た二人。

「おっ、久しぶりだね~♪こちょこちょこちょ~♪」

「ひゃっ!?ぁぁっははははははははははははは!!い、いきなりくひゅぐるのだめぇぇっぁぁっははははははは!!ひぃぃっそこだめだってばぁぁぁっははははははは!!ひぃぃぃひゃめでぇぇぇっぁぁぁっくひゅぐっだぃぃお、おねえちゃんたすけてぇぇぇっぁぁっーはははははは!!」

ソファにうつ伏せでごろごろしていたところを、茜さんに馬乗りされて脇腹をもみもみくすぐられる。

いきなりくすぐったいツボを容赦なく楽しそうに「こちょこちょ~♪」と責められ、我慢できずに思いっきり笑わされてしまう。

「ほれほれ~こちょこちょこちょこちょこちょこちょ~♪やっぱり人をこちょばすの楽しいな~ってひゃぁぁん!!ひゃぁぁぁっあっはははははははははははは!!ごめっ、ごめんかおりゆるしてぇぇっぁぁっはははははははははは!!」

「私の弟で遊んでる暇あるの?早く勉強するよ茜?」

突然くすぐっていた指が止まり、茜さんが笑い声を上げながら僕の背中にぎゅっと倒れかかってきた。

どうやらお姉ちゃんが茜さんをくすぐり倒しているようだ…。さすがに茜さんもお姉ちゃんには逆らえないのか、抵抗もできずに1分くらい背中の上で笑い悶え続けていた。

「はぁっ、はぁっ、し、死ぬところだった……」

息を切らせてソファの上でぐったりと項垂れる茜さん。
思わず同情して、「気持ちは分かる…」と呟いたところをしっかりお姉ちゃんに聞かれてしまい、「何か言った?」と指をワキワキ脅され慌ててごめんなさいをしてしまう…。

「お茶淹れてくるから、茜は勉強の準備をしててね。せっかくだからあんたもリビングで宿題でもしてなさい。」

「えぇ~、これから遊びに行こうと思ってたのに」

「ん?」ワキワキ

「ごめんなさいごめんなさい!!宿題します!!」

家の中では母に次いでお姉ちゃんの言葉は絶対。
逆らえるはずもなく、机の上に宿題を並べる。

しばらくすると、お姉ちゃんがトレーに冷たい麦茶とお菓子を載せてリビングへとやって来た。

「はい、茜。」

「ありがと~!いただきます!ごくっ、ごくっ、ぷはぁ!もう一杯!!」

「…そんなに喉渇いてたの?私の分も飲んでいいよ」

茜さんはグラスを受けとると、豪快な飲みっぷりでお姉ちゃんの分のお茶を含めて一気に飲み干してしまった。

ブルルルル、ブルルルル…と誰かの携帯が鳴る。

「ごめん、電話出てくるね。…はい、もしもし。今これから茜と家で勉強しようとしてたところ」

お姉ちゃんは電話をしながら部屋の外に出ていった。
「ふぅ…」と緊張感が消えて、お茶に口を付ける。

「ねぇねぇ、これ食べてていいのかな?」

茜さんはお姉ちゃんがお茶と一緒に持ってきた高級そうな缶を指さしている。二人で開けてみると、中にはクッキーが入っていた。

二人だけの秘密ということで、一枚ずつ食べていると、お姉ちゃんがリビングに戻ってきた。

「あれ?もうお菓子開けちゃったの?」

「あ、いやっ!ごめっ、ごめん香織」

「いいよ。さっきの電話なんだけど、ママが仕事道具忘れたみたいだから私届けに行ってくる。12時までには戻れると思うから、二人で大人しく勉強しててもらえる?」

「任せて!!行ってらっしゃいませ!」

「お姉ちゃん行ってらっしゃい…」

急にテンションが高くなった茜さんとお姉ちゃんをお見送りする。リビングには二人だけになってしまった。

「よーし!香織行っちゃったし、なにする?ゲームでもする?あ、それともこちょこちょの続きやる??」

「ええっ!?いやっ、あの…そ、そう言えば栞は来ないんですか?」

くすぐられるのは勘弁なので、急いで話題を変えてみる。

「ん?ああ、午前中美容院予約してるんだって。『私も勉強会行きたい~!』って言ってたから多分お昼頃来るんじゃないかな~。もしかしてぇ、栞にこちょこちょされたいの?」

「ち、違います!!聞いてみただけです!!」

ニヤニヤと茜さんに顔を覗き込まれて、慌てて否定する。
そんな様子を見てさらにからかわれてしまうのだった。

また何か別の話題を…と思い、お姉ちゃんについて聞いてみることにした。

「あの、茜さん。お姉ちゃんって学校ではどんな感じなんですか?」

「本当凄いよ。もう学校中で有名!入学式初日に上級生3人を倒したりして!最近それで風紀委員に目を付けられて呼び出されてね、私も巻き込まれたことがあったんだけど…その話、聞きたい?」

「聞きたいです!!」

お姉ちゃんが学校で有名人だったなんて、初めて知った。
興味津々とばかりに目を輝かせてしまう。

「よしっ!じゃあその前に…お茶、もらっていいかな?」

「分かりました!!」

急いでキッチンに行き、お茶を用意してリビングに戻り、茜さんの話を聞き始める。

「あれはね~、高校に入学して一ヶ月経った頃…」

……

入学式が終わり一ヶ月程も経つころ、香織はもうクラスの中心人物になっていた。

女子からは羨望と好奇心の眼差しを向けられ、男子からは畏敬の眼を向けられている香織。

将来有望な「くすぐり拷問師」が入学したことで、先生たちからの期待も大きいみたいだった。

実際、香織は勉強もスポーツもできてくすぐりの技術も抜群に上手。席替えの時も、男子たちはみ~んな「橘さんの隣だけは嫌だ!」って震えてるくらい!

でも中にはやっぱりやんちゃな男子もいて、香織の隣の席になったんだけど、その男子がいきなり…

「おい!くすぐり拷問師の娘だかなんだか知らないけどさ、女の癖に調子乗るなよ!!」

その瞬間、教室の中が凍りついたように静まり返ったよね。
私も含めてきっと全員が「命知らずだな~やめておけばいいのに…」って思った。

香織は学校でいつも冷静沈着な優等生タイプなんだけど、怒ると本当に怖いところはきっとお母さん譲りだと思う。

「別に調子に何て乗ってない。あなたこそ、”男の癖に”そんな生意気なこと言って、いいと思ってるの?」

香織の声のトーンからめちゃくちゃキレてることが分かったし、目は笑って無かった。

悪い子を叱るような、あるいはこれから酷い拷問を行うかのような威圧感に、やんちゃな男子は一瞬たじろいで後退りしてた。ここで素直に謝っておけばよかったものの、プライドがあるのか余計強気な態度を取ってしまった。

「う、うるせぇよ!!なら力ずくで分からせてやろうか?」

口喧嘩しても香織には勝てないと判断したのか、その男子は無理やり香織を押し倒そうとしたんだけど、気づいた時には香織がうつ伏せに組伏せて取り押さえてたの!

「なっ!?えっ、何が起こって…ひゃはっ!?ひっ!?ぎゃはっぁぁぁぁっあはははははははははははははは!!!!ひぃぃっひゃめっ!!やめろぉぉぉぁぁぁっあはははははははははははははははは!!!!くひゅぐっだぃぃっぁぁぁぁぁぁっあははははははははは!!」

「こちょこちょ~。女性に逆らったらどうなるのか、徹底的に叩き込んであげる。ほら、ごめんなさいは?」

背中に馬乗りになって腕を後ろ手に押さえつけながら、脇腹から腋の下にかけて容赦なくこちょこちょ。

シャツの上から軽くくすぐっているように見えたけど、よっぽどくすぐったいのか絶叫に近い笑い声が響いていた。その声を聞き付けて、他のクラスからもざわざわと教室の様子を見に来る程だった。

「ひぃぃぃっひゃめでぇぇっぁぁぁっぎゃぁぁっあははははははははははははははははははは!!くしゅぐっだぃぃっぁぁっあはははははははははははははは!!じぬぅぅぅだれかぁぁぁたずけてぇぇぇっぁぁぁぁぁっあははははははは!」

「くすぐったいね?止めて欲しいね?でも、その前に言うことあるよね?」

脇腹にあるくすぐったいツボに力を入れてぐにぐにとくすぐった瞬間、笑い声が一段と大きくなって悲鳴に近い声が教室に響く。

くすぐられてる男子はひぃひぃ涙を目に浮かべて涎を撒き散らしながら絶叫。自由な足をバタつかせて逃げようとするけど、クラスの他の女子たちも香織に協力して集団で押さえつける。

足首に馬乗りして、靴下まで脱がせて足の裏を「こちょこちょ~♪」ってくすぐる女子。上半身にも女子が集まって腕を1本ずつ床に押さえつけて、首筋や腋の下、背中を複数人でくすぐってやった。

「ひぃぃっぎゃぁぁぁっあはははははははははは!!やめでぇぇっぁぁぁっはなっ!!はなじでぇぇっぁぁぁっくるじぃぃぃぁぁぁぁぁっあははははははははははくひゅぐっだぃぃぃっごめっ!!俺が悪かったですからぁぁぇぁぅぁぁぁっはははははははごめんなざぃぃぃゆるじでぇぇっぁぁぁっはははははははははははははははは!!」

「ごめんなさいできて偉いね?女の子に逆らったらどうなるのか、ちゃんと理解できた?僕は女の子よりも弱いです。二度と生意気なこと言って逆らいませんって誓える?」

女の子に押さえつけられて全身こちょこちょされて情けなく笑わされて、男子にとってはかなり屈辱的な仕打ちだったけど、よっぽど苦しいのかあっさりと恥ずかしい宣言をみんなの前で披露してくれた。

「ひゃぁぁぁっあははははははははははははわかっ!!わかりまじたからぁぁぁぁぁっあははははははぼ、僕はぁぁぁっあははははははお、女の子より弱いですぅぅぁぁぁっに、二度と逆らいませんからぁぁぁぁっあははははははは!」

「ねえ、笑いながらそんなこと言ってふざけてるの?最初からやり直し…って言いたいところだけど、今回はこれで勘弁してあげる。もし誓いを破ったら…どうなるか、分かるよね?」

「はぃぃっごめっ、ごめんなさぃぃぃっひぃぃぃっも、もうゆるじてくださぃぃぃぃっぁぁぁぁっははははははは!」

結局、その男子はぐったり疲れ果てて息も絶え絶えになる程くすぐられて、女子にプライドをズタズタにされちゃってそれ以降すっかり大人しくなっちゃったの。

香織の顔を見ただけで「ひぃっ!?」って怯えて身悶えるくらい、きっと衝撃的なくすぐったさだったのだろうね。

そんな出来事があった結果、満場一致で香織はクラスの学級委員長に選ばれて、さらには生徒会役員にも推薦されたの。

うちの学校は生徒会がかなりの権力を持っていて、校長先生直下のくすぐり組織という感じ。

生徒への指導やくすぐり体罰を行う権利はもちろん、学校をくすぐりで改革し、更正することを目的とした集団。

1年生で生徒会に入っているのは香織だけ。
香織の働きもあってか、やんちゃしたり生意気な態度を取る問題児は激減したの。

そうなると今度は、大人しいくすぐりに弱い男子が増えちゃって、香織も手加減してこちょこちょ指導することが増えたみたい。

最近席替えして香織の隣の席になった男の子は数学ができなくて、授業中香織に服の上から優しくさわさわと脇腹を撫でられてひぃひぃ言いながら指導されてた。

「ねぇ、この問題の解き方はさっき説明したのと同じだよ?どうしてまた間違えちゃったのかな?」

「ひぃぃんひゃぁぁくしゅぐったくてぇぇっぁぁぅあ、頭おかひくなるからぁぁぁぁんぁぁぁっははは!!」

「くすぐったいって…これでもかなり手加減してるんだよ?次間違えたらもっとくすぐったくしてあげる。」

毎回授業が終わる度、香織にくすぐられてる男の子はへとへとになって、机に突っ伏して涎垂らして死んだように息を整えてたのは少しだけ気の毒な気もしなくもない。

でも、香織が入学してからかなり学校の治安が良くなる反面、それを良く思わない人達もいてね。

それが「風紀委員」という組織。

生徒会とは別で、主に不良や問題児達がいればくすぐり処置を与えることができる。風紀委員の人達はサディスティックな性格の人が多くて、彼女達に捕まった男子生徒たちはみんな死ぬほどくすぐられて廃人のようになったり、不登校になってしまう生徒も出てしまう程。

風紀委員のくすぐりは度を越えている!って考えている生徒もいて、こっそり生徒会に告げ口しようとしたらしいんだけど、その前に風紀委員の女子に連行されて想像を絶するようなくすぐり尋問をされて口封じしてるっていう噂もあるの。

だけど、香織が入学して生徒会に入ってから目に見えて素行の悪い生徒はめっきり減ってしまい、風紀委員が仕事をする幕が少なくなったんだって。もちろんそれは良いことなんだけど、今度は素行の悪い生徒ではなく、真面目で大人しい生徒にまで何かと理由を付けてくすぐるようになった。

例えば、「ネクタイが歪んでいる」とか、「女子に対して尊敬する気持ちが足りてない」とかね。

抵抗すればどうなるのか分かってるから、顔を真っ青にしながら女子に両脇を固められて廊下を歩いて連行されていく…

それからしばらくして、その男子が台車の上で白眼を剥いて全身ピクピクと痙攣させながら保健室へと運ばれていくのを見た。

生徒会のメンバーは風紀委員のやり方を問題視していて、何とか尻尾を掴もうと機会をうかがっていた。

そんなある日の休み時間のこと。
うちのクラスに風紀委員の女子数人が突然入り込んできて、香織の隣の席に座っている気の弱い男子生徒を半ば無理やり連行していったの。

その時香織は生徒会室に呼ばれていて、私含めて誰も風紀委員の人達を止めることはできなかった…。

そして、風紀委員の人達は何故か女子の中で私にだけ理由を付けて逃げられないように両脇を固められて教室から連行されてしまった。

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【FANBOX続きのお話】風紀委員の策謀

内容はハードなfff/mと少しだけエッチなff/fもあります。連行された茜さんは無事なのか。風紀委員の目的とは…?

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