万引き

公開日:2019/03/19 /
切欠はふとした好奇心。
中学生になり2年目に入った春、自分が世界の中心にいるようだと本気で思っていた。
学校の勉強はつまらなくて、こっそりと授業を抜け出して屋上で昼寝をしたり、そのまま帰ってゲーセンで暇を潰すこともあった。
髪を染めて、シャツを出す。
今思えばそれはまだ小さな反抗期。
学校の校則への、ささいな抵抗。
当然、教師からは注意され、指導室に呼ばれたこともあったが、大して心には響かなかった。
大人や、年上の人間に対する反発も大きかった。怒られたり、注意されればされるほど、反抗心に駆られて汚い言葉で応酬する。
「馬鹿」「しね」「消えろ」
相手が傷つくことなどお構い無しに、また
その可能性があることすら気づくことなく
暴力的な言葉を何度も吐く。
自分の小さなプライドを守るためだけに。
_万引きは、ゲーム感覚だった。
もちろん、それがいけないことだとは分かっていたけど、悪いことをしているような自分がかっこいいと思っていた。
それに、バレなければ問題ない。
とてもスリルのあるゲーム。
場所は、学校から少し離れた住宅街近くのスーパー。そんなに大きなお店ではない。
初夏になる前の、天気のいい季節。
午後の2時くらい、めんどくさくなっていつものように学校を抜け出し、外をぶらつく。喉が渇いたから、目の前にあるスーパーでジュースでも買おう。
店内に入ると、冷房がよく効いていて、心地よい風が流れている
お昼時を過ぎた店内にはあまり客はおらず、店員の姿も見えなかった。
ここでふと、「自分が手に持っているジュースをお金を払わずに持って帰ったらどうなるんだろう?」という好奇心が湧いた。
辺りを見渡して、人気のないことを確認すると、それをこっそりと、鞄にしまいこむ
そして、小走りで店を出てきてしまった。
公園のベンチに腰をかけ、改めて自分の鞄を見ると、まだよく冷えたジュースがある
夢ではない。逃げ切ったときの高揚感を噛み締めながら、戦利品を手に取る。
家に帰ってからも興奮は鳴りやまず、
もう一度あのスリルある遊びをしたいと思った。
_3日後、また同じように学校を抜け出し、スーパーに向かう。
大丈夫、絶対にバレない。
仮にバレたとしても、自分は走って逃げ切れる自信があった。
この日も客の姿は少なかったが、レジに髪の長い女子大生っぽいお姉さんが一人、お惣菜売り場で背の低いお姉さんが品出しをしていた。
人気のない、お菓子売り場へと移動する。
ポケットに入る小さなチョコレートや、ガムを2,3個手に取り、素早く隠す。
そして、店の出口へと余裕の表情で歩く。
「はい、ストップしよっか」
あと数メートルというところで、出口の前で女の人が手を横に伸ばして逃げるのを阻止する。
「なっ!?」
そして、気付けば両脇をバイトの女子大生のお姉さんに固められる。
「ねぇ、君万引きしたでしょ?」
「し、知らねえよババア!!離せよ!」
必死に抵抗しようと暴れるも、腕を押さえるお姉さんに力ずくで押さえつけられる。
そして、両腕をバンザイさせるような格好で腕を固定される。
「ば、ババア…?私まだ28なんだけどな~。まぁそれは後でお仕置きするとして、万引きするところ見てたから。君…2回目だよね?」
少しだけ、背筋が凍る。
もしかして、取り返しのつかないことをしたんじゃないだろうか。
「し、知らねえし…」
「仕方ない。ボディチェックさせてもらうね。」
そう言うとお姉さんは、カッターシャツの上から上半身をさわさわと揉むように触ってきた。
「ひゃっ!くっ…ふっ…はは…や、やめろ…!」
くすぐったくて、口から笑い声がこぼれる
腕を下ろすことも許されず、くねくねと身体を動かしてくすぐったさを表現する。
そんな僕の様子を見て、お姉さんはにやにやしながら手を動かす。
「あれ~?もしかして、こしょこしょ弱いのかな?」
「そんなわけな…くっ、あーひゃっはははははは!!やめろぉぉぉ!!だめぇぇ!!!」
今度は明らかにくすぐるような手つきで、
脇腹のツボを10本の指で揉むように動かしたかと思えば、素早く腋の下の窪みを細かくこちょこちょ。
昼下がりのスーパーで両腕を押さえられて女の人に笑わされる恥ずかしさもあって、
必死に顔を背けて抵抗する。
両腕には、女子大生2人の胸の感触がある。
「どう?おばさんにこちょこちょされる気分はどう~?」
「いやぁぁぁっはははは!!うるせぇばかぁぁぁ!!」
「ほんとに口が悪い子ね…。ところで、これは何かなぁ?」
お姉さんは床に落ちているガムを拾いあげる。暴れた反動でポケットから落ちてしまったようだ…。
「そ、それは…しらねぇよ!!」
「ふ~ん…まだしらを切るんだ。ここじゃ迷惑になるから、裏に連れてって。」
そうバイトの女子大生2人に指示すると、腕を捕まれたまま引きずるようにしてバックヤードの方へと連行された。
控え室であろう部屋に連れられる。
中には机と椅子、監視カメラの映像を写し出すモニター…。
割と殺風景な部屋の床に、両腕と両足を真っ直ぐに伸ばした状態で押さえつけられる。いくら男とはいえ、年上の女子大生のお姉さんに体重をかけて押さえられてはびくともしなかった。そして、腰のあたりにおばさんが馬乗りになる。
「おいっ!離せよよくそが!!ばばあ!」
「まだ自分の立場が分かってないのね。万引きは犯罪なの。このまま警察呼んでもいいんだけど…」
「うるせぇ!呼んでみろやばか!!」
「まだ未成年のようだし、警察呼んだくらいでは反省しないでしょ。だから、その代わりにお姉さん達がたっぷりと教育してあげる。自分のした罪の重さをその身体に刻み込んであげる。」
カッターシャツのボタンを一つ一つ外され、薄いシャツ1枚にさせられた。
膝の辺りに座る女子大生に靴を脱がされて、履いていた靴下も脱がされ素足にされる。
逃げようと最後の悪あがき。
しかしいくら力を込めても、太ももの拘束から脱け出せることは出来なかった。
ひとしきり暴れる様子を観察されたあと、
「まだ暴れる体力が残ってるなら、しばらくこちょこちょして疲れさせたげる。」
「ひっ!あっ、っっぁぁぁっははははぎゃぁぁぁっはははひゃひゃだぁぁやめろぉぉぉぉぉ!!あーぁぁはっはははははは!!」
一斉に腋の下と脇腹、足の裏を女性の細長い指でくすぐられ、悲鳴のような笑い声をあげる。
頭を太ももで固定し、時折首筋に指を這わせながら腋の下をカリカリと素早くこちょこちょするお姉さん。首を振ってくすぐったさから逃れることもできず、笑い悶える様子をにやにやしながら眺めてくる。
脇腹は激しく揉み込むようにくすぐられ、ツボを的確にぐりぐりされる。たまにお腹やお臍、乳首にまで手を伸ばしてこちょこちょされる。その暴力的なくすぐったさに、肺の空気を全て吐き出させられる。
足の裏は髪の長いお姉さんに、爪を立てて土踏まずをガリガリとくすぐられる。足の付け根をこしょこしょしたり、片手で足を反らせて足の指を曲げれないようにされてこちょこちょ。普段人に触られることのない部分をくすぐられ、絶叫するように笑う
絶対にバレないはずだったのに、気付けば床に押さえつけられて女性に全身を激しくこちょこちょされている。
くすぐりとかいう子供の遊びで、しかも年上のお姉さんに強制的に笑わされるのはとても屈辱的で、恥ずかしかった。
そう思うと、急に恥ずかしさが込み上げてきて、涙が出てきた。
「いやぁぁぁぁごめんなさぁぁぁい!!もうやめてぇぇぇ!!ぁぁぁくひゅぐったいからぁぁぁぁぁ!!!ぁっははらめぇ!!」
「ふふっ、少しだけ素直になってきたかな?」
30分ぐらいくすぐられ続け、シャツは汗だくになっていた。服の中に手を入れられて敏感な腋の下を直接こちょこちょこちょ…
絶対に慣れさせてくれないくすぐり責めに、僕の心は折れ初めていた。
「ねぇ、君いくつ?」
「ぁぁぁぁっははははは!!じゅう、じゅうよんですぅぅ!!もうやめてぇぇぇ!!」
「中学生ね…今日は学校休み?」
「ひが、ひゃぅちがいますぅぅぅ!!サボりましたぁぁぁぁごめんなさぁぁぁい!!」
「なるほどね。で、何で万引きなんてしたの?2回目だよね?」
お姉さんのくすぐる指が強くなる。
「ぁぁぁぁぁそれはだめぇぇぁ!!やめてぇぇぇぇ!!」
「正直に言うまでくすぐりは絶対やめないわよ?」
「こうきしんですぅぅ!!ひゃぁぁっははち、ひゃっとしたげーむかんかくでやりまちたぁぁぁぁぁ!!!ごめんなさいもうしませんからぁぁぁぁぁ!!!!」
その言葉を聞いて、一旦くすぐりの指が止まる。
「はぁ…ぜぇっ…はぁ…ひっ、ひひっ…や、やめ」
顔は涙や涎でぐしゃぐしゃになっていた。
舌は呂律が回らず、もはや抵抗する体力は全く残っていなかった。
くすぐりに敏感な年頃の男の子をくすぐることが好きな女子大生のお姉さん2人は、まだもの足りなそうにゆっくりと身体を撫でていた。
「少しは反省した?もう万引きなんてしないと約束する?」
「はい…っっ…や、やくそくしますからぁ!」
「もし約束破ったら、今度は死ぬまでくすぐりの刑だからね。それと、今日のことは学校と家庭に連絡します。わかった?」
拒否権はなかった。
「よし、まぁ反省してるみたいだし、万引きの件はこれぐらいにしてあげる。ただ…さっき私におばさんって言ったお仕置きしてあげないとね~。」
目の前で指をわきわきさせ、獲物を狙うかのようにゆっくりと、身体に近づける。
「い、いやぁぁぁぁもうかんべんしてぇぇぇ!!!!」
それから、さらに30分ほどたっぷりとくすぐられ、帰る頃には自分で立てる体力すら残っていなかった。
結局、親に迎えに来てもらって、おんぶされて家に帰った。
帰ってからお説教され、母親と姉にまでくすぐられてしまった。
当然、もう万引きなんてしたくないと思ったし、中学2年生の反抗期はそれがきっかけで終わった。
髪を黒に戻し、学校にもちゃんと行くようになった。そして3月、無事に卒業式を迎えた。
ただ、何故か学校で僕がくすぐりに弱いという噂が広まっていて、同級生の女の子や先生に度々こちょこちょされる日々を過ごした。