異世界に行く方法

 

ジャンル:百物語 / 公開日:2022/07/01 /

       

チリンチリンと鳴る風鈴の音色。
涼しげな夏の夜鈴とは裏腹に、室内にはどこからか、生温い風が流れている気がする。

閉めきられた室内を灯す蝋燭はあと2本。

次は僕が怪談話をする番だ。

きっと、百物語をしている雰囲気に呑まれて恐怖を感じているだけだ…。

まさか…幽霊なんてもの、存在するわけがない。

「ふぅ……」

一旦大きく深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。

「大丈夫?気分でも悪いの?」

「大丈夫だよ…!じゃあ、そろそろ話すね。」

お姉ちゃんに心配される。
そうだ…お姉ちゃんも、栞も、茜さんもいる。
何かあってもきっと大丈夫だ…。

「えっと…これはとある掲示板に書かれていた、異世界に行く方法なんだけど……」

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ある日のこと。大学も夏休みに入り、特にやることも無くベッドの上でネットサーフィンをしていると、面白そうな話を見つけた。

「おっ、なになに?…エレベーターを使って異世界に行く方法…か。」

その時は本気で信じておらず、面白半分興味半分でその記事を読んでいた。

「誰が考えたのか知らないけど、よくこんなの思いつくよな。本当に異世界に行ける訳ない……いや、でもまあ。やってみないと分からないこともある…か。」

どうせ家にいても暇なだけだ。
物は試しで、実際にやってみるのも悪くないか。

だらだらと起きていて、時計を見るともう深夜1時。
幽霊が出てもおかしくない時間。
いや、そんなのいるわけないか。所詮この「異世界に行く方法」だって、誰かがふざけて書いたものだろう。

好奇心と馬鹿らしい気持ちが葛藤した結果、勢いでスマホだけ手に持って外に出ていた。

「え~っと、まずは…10階以上あるエレベーターを用いる…か。」

丁度、家の近くにマンションがある。
タワーマンションではなく、よくある普通のマンション。

深夜に道を歩いている時に、運悪く警察に見つかって職務質問とかされないかだけが心配だったが、杞憂に終わりマンションの入り口へと着いた。

「え~っと、13階立てのマンションだよな。条件クリア!」

勝手に入って誰かに見つかったらどうしよう…。
幸いなことに深夜のマンションロビーには自分1人しかいなかった。

「エレベーターは…あった!エレベーターに乗るときは必ず1人で乗る…。うん。自分しかいないよな。」

キョロキョロと辺りを見渡しながらエレベーターを待つ姿は完璧に不審者そのもので、いつ通報されてもおかしくない。

13,12,11…

ぼんやりとエレベーターが1階に到着するのを待つ。
誰も来ませんように…。

4,3,2…1

ようやくエレベーターが到着し、ガラガラと力無さげに扉が開く。中には…誰もいないよな。

1人でエレベーターに乗り込み、とりあえず扉を閉める。

「え~っと、次の手順は…エレベーターに乗って4階、2階、6階、2階、10階へ移動する。この時に誰か乗ってきたら成功しない…か。」

このマンションの住民が全員家で寝ていることを願う。

とりあえず「4」のボタンを押してみる。
何か…このエレベーター、ガタガタとしているな。
多分、古いマンションだからその分エレベーターも古いのだろうか。

体感的にはすごくゆっくりと上に上昇している気がする。
途中で誰も乗ってくることなく、ほんの数秒で4階へと着いた。

「じゃあ…次は2階か」

せっかく4階まで上がったのに、何でまた2階まで下がるのかは疑問だが、大人しく「2」のボタンを押す。

またガタガタ言いながらゆっくりと下降するエレベーター。
こんな深夜に暇な大学生に付き合わされるエレベーターくんごめんよ。

特に何事もなく、途中誰かが来ることもなく2階へと到着した。

その後は「6」のボタンを押して6階に移動。
どうせ何も起こらないんだし、帰って寝ようかな。
まぁ…一応最後までやってみるけども。

6階に到着後、「2」のボタンを押してガタガタゴトゴト下降する。当然の如く、途中で誰かが乗ってくることも無かった。

2階に到着して、今度は「10」のボタンを押す。
その時ふと、エレベーターのボタンが「10階まで」しか無いことに気がついた。

つーっと、背中に嫌な冷や汗が流れて鳥肌が立つ。
あれ…このマンションって、13階あったよな…。

「あっ…きっとあれだ…10階以上は他に専用のエレベーターがあるんだな…知らないけど。」

3,4,5…と相変わらずゆっくりと上に上がるエレベーター。

別に…怖くない。怖くないけど、正直早く帰りたい…。

やけに五月蝿いエレベーターの動作音ですら、少し恐怖を感じる。

「大丈夫…異世界なんてあるわけないし、これは単なる作り話の書き込みにすぎないんだ…」

7,8,9……10

ようやく10階に到着して、気だるげに扉が開く。
当然誰も乗って来ないし、外の様子も一見普通だ。

「問題は次だよな…え~っと、10階に着いたら降りずに5階を押す。5階に着いたら若い女の人が乗ってくる…か。」

本当に乗ってきたらどうしよう…。
でも、若い女の人なら別に怖くはない…か。

もし仮にその女の人が乗ってきても、いざとなったら違う階で降りればいい…。

ふぅ…っと深呼吸をして、「5」のボタンを押す。

「えっ……?」

さっきまでガタガタ言ってたエレベーターが、何の音も無く扉を閉めて下降していく。

(やばい…これはもしかしたら本当に……)

それ以上考えることすら怖い。
本当に音も無く、静寂の空間のまま、どんどん5階へと近づいていくエレベーター。

7,6,…5

あっという間に5階に着いたエレベーターは、静かに扉を開ける。

「……っっ!?」

(嘘だろ……!?何で…女の人がこんな深夜に……)

扉が開いた先には、白いハットに、白のワンピースを着た身長170cmくらいの女性…が立っていた。

顔は…普通の綺麗な女性だ……。

「……………。」

すーっと、無言でエレベーターの中に乗り込む女性。
やや距離を開けて左隣に立っている。

(絶対に話しかけちゃだめだ……ええっと、次は…1階を押す)

額に冷や汗が滴る。
強ばって震える人差し指で、「1」のボタンを押す。

その瞬間、スッと音も無く目の前に女性の顔が現れた。

「ひいっっ!?」

「ねぇ、こちょこちょ、好き?」

思わずゆっくりと後退りをする。
目の前にいる女性は、ニヤニヤと気味の悪い笑みを浮かべながら指をこちょこちょとするような動きを見せつけてくる。

(何だコイツ……話かけちゃだめだ……ヤバい…早く逃げないと…!!)

ふとエレベーターから外の景色を見ると、間違いなく1階に押した筈なのに、上に上に上昇している。

「あれ~?なんで、無視するのかなぁ?…見えてるよね?私のこと?」

「……っっ!?」

(見てはだめだ……絶対に…!!)

第6感が警告する。今すぐこのエレベーターから降りろと。

目の前にいる女性は……恐らく、人ではない。
人の形をしているナニかだ。

目を瞑って視界に女性が入らないようにする。
隙を見て、違う階のボタンを押せば…まだ間に合う筈だ…!

「ふ~ん?そう。そんな態度取るなら…こ~ちょこちょこちょこちょ~♪」

「ひいっっ!?ひゃっ!!きゃぁっはははははは!!!なっ!?やっ、ひゃめろぉぉぁぁっはははははひぃぃっ!?」

なんといつの間にか至近距離まで来ていた女性に、10本の指で首筋をこちょこちょとくすぐられてしまう。

冷たいひんやりとした細長い指先でこしょこしょとくすぐられ、思わず目を開けて床にへたりこんでしまう。

女性の顔が視界に入り、くすぐられて思わず「やめろ」と話かけてしまった……

「あ~~っ♪や~っと、私に話かけてくれたね?…もう逃げられないよ?逃がさない…ヨ?」

「……ぁ……!」

あまりの恐怖を感じると、人間は腰が抜けて声も出ない…
逃げないといけないと頭で分かっていても、身体に力が入らない…

その様子をニタニタと見下ろす女性。
狭いエレベーターの中で僕は仰向けに寝かされ、腰のあたりに女性に馬乗りされてしまう。

重さは感じ無かったが、かと言って力ずくで逃げられないような力加減で押さえつけられる。

「ほぉ~ら?よ~く見て?キミの行きたがってた異世界に近づいているのが、ワカルかな?」

「なっ…!?」

上半身を起こされ、エレベーターの外の光景を見させられる。

景色が目まぐるしく変化している…いや、凄い勢いでエレベーターがどこかに上昇しているのだろうか。

さっきまで深夜だった筈なのに、赤い満月の光が断続的に差し込む。

この世成らざる世界の影に、ゾクゾクと恐怖が滴る。

(駄目だ…逃げないと…!!)

腕で力ずくで女性を押し退けようとしたが、動きを読まれてしまい両手首をそれぞれ掴まれて床に押し倒される。

上から体重をかけるようにして、顔を覗きこむように見下ろされながら押さえつけられて何とか抵抗しようとするも、びくりとも動かない…!

「ふふっ♪男の子なのに女の子に押さえつけられて悔しいね?ほぉら、早く逃げないと、『10階』に着いちゃうよ?」

「っっ!?くそがっ!!離せよ!!な、何が女の子だよ!!この、バケモノがぁ!!!!」

ニヤニヤと笑みを浮かべていた女性の顔が、スーっと氷のように冷たい真顔になる。

「いい子にするなら、ちょっと遊んで解放してあげようと思ったのに…そういうこと言うんだぁ?」

片手で両手首を掴まれて無理やり万歳させられ、もう片方の手で着ていたシャツをビリビリと破られてしまう。

「ひぃぃっ!?や、やめろ……誰か…た、助けてぇ!!!」

「ここはエレベーターの中で、だ~れも助けには来ないよ?残念でした~♪…少し、お仕置きしてあげる。ほら、こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ~♪」

「ひっ!?やっ、ひゃぁぁっぎゃぁぁっぅっははははははは!!あぁぁっはははははははは!!ひゃぁっははや、やめろぉぉぁぁっはははははいやぁぁぁっぁっははくしゅぐっだぃぃぃぁぁぁっははははははは!!!!」

片手で両腕を押さえつけたまま、もう片方の手で無防備な上半身を素早くこちょこちょとくすぐる女性。

耳、首筋、腋の下、胸、お腹、脇腹…

それぞれ部位によって5本の指をバラバラに動かしてこちょこちょとくすぐったり、爪を立ててカリカリとほじくり、ツボをもみもみと刺激するようにくすぐられ、まるで100本の指が身体中を這い回っているかのような感覚に襲われる。

「こちょこちょ~♪くしゅぐったぁい?ほら、バケモノとか言ってごめんなさい…は?」

「ひやぁぁっはははははは!!!!だ、誰がお前なんかにぃぃぁぁぅはははははは!!!は、早く退けよバカぁぁぁぁぅははははバケモノっははははははへ、へんたぃぃぁっぎゃぁぁぅっははははははひぃいひゃめっげほっ、ごほっっぁぁぁっはははははは!!」

「…ふ~ん。まだそういう態度、取るんだ?異世界に連れていく前に、このエレベーターの中でくすぐり殺してあげよっか?」

一瞬、くすぐっていた指が離れ、両腕を押さえつけたまま女性が頭の上の方に移動する。

真っ直ぐ万歳させたまま腕の上に腰を降ろし、太ももで挟まれて固定されてしまった。

「これでもう抵抗できないね~?最後に忠告するけど、今ごめんなさいする?」

「だ、誰がお前みたいなやつに謝るか!!!」

反射的にそう叫んだが、やはり素直に謝っておけばよかったのではないかと一瞬後悔する。

(くそっ…!絶対何とか隙を見つけて逃げ出してやる…!)

「そう。じゃあ、手加減しなくていいよね。恨むなら、自分を恨みなよ?ほら、こちょこちょこちょこちょ~。」

「ひぃぃっぎゃぁぁっぁぅははははははははは!!!!いひゃぁぁぁぁぁっぎゃぁっはははははひゃめでぇぇっぁぁっははははははごめっへへへごめんなひゃぃぃぃぁぁぁっはははははだめぇぇぇぁぁぁっははははゆる、ゆるじでぇぇぁぁぁっははははじぬぅぅぁぁっははははは!!!!」

10本の指で首筋を包むようにこちょこちょとくすぐられる。
がら空きの腋の下は容赦なく爪を立ててカリカリとくすぐられ、脇腹を容赦なくモミモミと責められる。

あまりのくすぐったさに前言撤回ですぐにごめんなさいしてしまう程、命の危機すら感じていた。

脂汗が身体中から流れ、顔は涙や涎でぐしゃぐしゃになって情けなく笑い悶えさせられる。

「こちょこちょこちょこちょ~♪…最初っから素直に謝ってたらそんな苦しい思いしなくて済んだのにね。恨むなら、自分を恨みなヨ?」

「ひひゃぁぁぁっぎゃぁぁっぁぁごめっへへごめんなざぃぃぃぁぁぁっぁぁぅははははは!!ごめんなざぃぁぁぁっはははははぁぁっひゃだぁぁっも、もうゆるじでぇぇっぁぁっははははははごめんなざぃぃぃぼくがわるがっだですぅぅぁぁぁっははははははは!!!!」

女性に弱いところをねちねちとこちょこちょされて、何度も何度もごめんなさいする。

数時間前、好奇心で異世界に行く方法なんて試さなければ良かったと今さらながら後悔する。

強制的に笑わされて、頭がくすぐったいで埋め尽くされる中で、ふとあることに気がつく。

(あれ…くすぐられてから結構時間が経っている筈なのに、まだ異世界である10階にエレベーターが到着していない…)

ということは、このエレベーターの中では時間の進め方が異なるのだろうか。いずれにせよ、まだここから脱出できるチャンスはある。10階に到着する前に、何としても他の階のボタンを押せばいい。

でも、どうすれば……あっ!!

一ついいことを閃いた。

(腕が使えないなら、足を使えばいい…!)

「ぎゃぁぁぁっはははははひゃめでぇぇぁぁぁっはははは!!もうゆるじでぇぁぁぁぁっげほっ、ごほっ、ぁぁぁっひゃぁぁっははははは!!」

僕は、くすぐったくて抵抗しているフリをして唯一自由な足をバタバタとさせて暴れまわる。

足をできるだけ高く上げて…動き回っていればもしかしたらボタンに届くかもしれない…!

「あっ!!こらっ!!暴れるな!!!」

しかし、そんな抵抗の意図に気が付いた女性に、くすぐっていた両手で脚を押さえられる。

そして、今度は力ずくでうつ伏せにされてお尻の辺りに馬乗りされ、足首を掴まれてしまう。

片足ずつ靴と靴下を脱がされて…

「がはっ、げほっ、ごほっ、…はぁっ…はぁ…や、やだ…やめっ!?ぁぁぁっははははははは!!!ひぃぃいやぁぁぁっははははははぎゃぁぁっははひゃめでぇぇっぁぁっはははあじのうらはだめぇぇっひゃぁぁぁっははははぐじゅぐっだぃぃぁぁぁっははははははは!!!!」

「足癖の悪い子は~。足の裏こちょぐり地獄の刑でちゅよ~♪こ~ちょこちょこちょこちょこちょ~♪こちょこちょ!こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ~♪」

まるで子供をあやすかのような口調でこちょこちょ言われながら、足の裏を思いっきりくすぐられる。

汗に濡れた土踏まずを爪で思いっきりガリガリとこちょこちょされる。

足の裏なんて普段人から触れられることの無いような箇所を容赦なくこちょこちょされ、身体中に電流が走ったかのようなくすぐったさを感じる。

今度はようやく自由になった両手をバンバンと床に叩きつけたり、腕を振ってくすぐったさから抵抗しようとするも、効果は無かった。

「暴れる体力も無くなるくらい、しばらくこちょこちょしてあげる。こちょこちょこちょこちょ~♪ほらほら、大人しくしなよ?」

「ひぃぃぁぁっははははは!!も、もう限界だからぁぁぁぁぁっははははは!!!ひゃめでぇぇごめんなざぃぃいぁぁぁぁっはははははもう抵抗じませんがらぁぁぁぁぁっははははは、勘弁じでくださぃぃぁぁぁぁっはははははは!!!」

密室のエレベーターの中で、女性の「こちょこちょ」と愉しそうに歌う声と、悲鳴のような笑い声が響き渡る。

暫くの間、執拗なまでに徹底的に足の裏をこちょこちょされ続け、ようやく指が離れた頃には完全に抵抗する力が抜けて息も絶え絶えになっていた。

「ひっ…ひひっ…はぁっ…ひぃっ……」

「もう完全に抵抗できなくなったね~?さてと、じゃあ異世界に行く前に、最後の仕上げしよっか♪」

再び仰向けに寝かされる僕。
顔から涙や涎がこぼれ落ちる…

薄らいでいく意識を他所に、女性はなんと僕のズボンのベルトを弛め、ずるりとパンツごと脱がしてしまった。

散々くすぐられ続けて、男性としての生存本能からか、なんとぺニスから我慢汁を流して興奮してしまっていた。

「お仕置きのこちょこちょで興奮させちゃうなんて…♡もっと、も~っときついお仕置きが必要かなぁ?」

「ひぃっ…なっ、何を……んぁぁぁっ!?あっ、あっ、ぁぁっ…だ、だめぇぇっあぅ…♡」

「んっ、んっ、れろれろ…」

パクリっ♪とぺニスを口に含み、舌先で裏筋を撫でるように舐められる。さらに、敏感な亀頭をれろれろと何度も何度も舌でなぞりあげられ、思わず腰が浮いてしまいそうになるほどのくすぐったさと快感を味あわされる。

「ひっ、ぁんっ!!ぁぁっ…ひゃはっ!?ぎゃぁぁぁっははははははは!!ぁぁぁい、今くしゅぐりはひゃめでぇぇっぁぁぁっはははははは!!!!」

「……♡」

こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ♪

舌で丁寧に敏感なおちんちんを舐めながら、空いている手で脇腹をもみもみこちょこちょとくすぐる女性。

唾液を垂らし、ジュルジュルとエッチな音を立てて舌で弄ばれ、こちょこちょとくすぐったい刺激を与えられ、限界が近づいていく…

「ひぃぃぁぁぁっはははははは!!!ぎゃぁぁっも、もうだめぇぇぇぁっはははは!!イッ、イクゥゥゥ!!!」

「じゅるじゅる…れろれろ…♡」

ドピュッッ…ピュルル

大きく身体がビクンと痙攣し、女性の口の中に大量の精子を吐き出してしまう。イッてる最中もくすぐりは止めて貰えず、ビクビクと身体が反応してしまう。

「ひぃぃぁぁぁっはははははは!!も、もうこちょこちょひゃめでぇぇっはははははは!!い、今イッたばっかだからぁぁぁぁぁっはははははは!!!!」

「…ふふっ♪人生最後に気持ちよくなれてよかったね?ほら、もうすぐ10階に着くよ。」

エレベーターがガタリと止まると、ようやく女性が身体から離れていった。

ゆっくりと扉が開いていく。

さっき見た10階の姿はどこにも無く、エレベーターの中からは真っ暗な空間が広がっていた。

…いや、暗闇の奥から、白い何かが近づいてくる…!!

あれは…手だ……暗闇から沢山の白い手がこちょこちょと指を動かしながら近づいてくる。

「ひぃぃっ!!?いっ、いや……た、助けて…来ないで…ひっ!!!いっ、ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………」

沢山の手に手足を掴まれ、身体中をこちょこちょとくすぐられながら、暗い異世界に引きずり込まれていく…。

エレベーターは音も無く閉まり、また、1階へと戻っていくのであった。

________________________

「…というお話でした」

何とか無事に話を終えると、室内はシーンと静まりかえっていた。

「ひぃぃ…普通に怖すぎるよぉ…」

栞が本気で怯えている…。よく見たら少し泣いてる…?

「異世界って、本当にあるのかな…ちょっと気になる」

茜さんは何故か異世界の存在に興味を抱いたらしい。

話を終えたので、自分の近くにある蝋燭を息で吹き消す。
これで、室内にある蝋燭はあと1本。

最後はお姉ちゃんが話す番だ。

「……ねぇ。さっきの話で、沢山の手が出てきたって言ってたよね?」

ヒタ…ヒタ…と、廊下から音が聞こえる。

「う、うん。そうだけど…。」

嫌な余寒がする。
少し間を置いて、お姉ちゃんが口を開いた。

「それってさあ、今、私の後ろにあるやつかな?」

~続く

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