朝起き

 

ジャンル:R-18小説 / 公開日:2020/07/24 /

       

小学校も夏休みに入り、田舎のお家に昨日からお泊まりに来た。

都会から新幹線に乗って、そこからさらに電車で移動し、小さな無人駅からは車でお迎えに来てくれた。心配する母親と、可愛い子には旅をさせよという父親。最終的には子供の意見を尊重しようということになり、一人での遠征が決まった。

駅員さんに心配されたり、迷子と間違われたりしながらもなんとか日が暮れる頃に親戚のお家にたどり着いた。

おじいちゃんとおばあちゃんが暮らすこの家は、かなり広くて大きい。畳の部屋がたくさんあるし、入ったことは無いけど、地下室もある。

よく家の中で従姉妹たちと鬼ごっこやかくれんぼをして遊んでいた。

ともかく、無事に親戚の家までたどり着けたことに達成感と、心地よい疲労感で今日は早く眠ることにした。明日、従姉妹が来るらしい。僕より3つ年上で、優しくて、少し意地悪で、とても会いたかった人…。

ふぁぁ…。ご飯を食べて、温かいお風呂に入って、
ふわふわのお布団に入ると、3秒後には眠りに落ちた。

…ぅ~ん…

…「おきて~♪」

……むにゃむにゃ……

…「ほら、朝だよ♪…も~…仕方ないなぁ」

こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ♪

「!?ひゃぁっ!?ぁっぁぁぁっはははははは!!なに!?ひゃぁぁっひゃめっ!!ひぃぃぎゃっははははははくしゅぐったいぃぃぃ!?」

強烈なくすぐったさで一気に頭が覚める。

身体を起こそうにも、布団が手にからまってうまく起きれないし、誰かが膝の上に座っていて足首を固定され、裸足の足の裏を容赦なくこちょこちょしている…

「ほ~ら、こちょこちょこちょ~♪起きた??起きるまでやめないよ~だっ♪」

「ぎゃぁぁっははおきたぁぁぁおきましたからぁぁぁもうひゃめてぇぇぇ!!」

まるで永遠とも思えるような足裏へのくすぐりがようやく終わる頃には、息も絶え絶えで全身の力を使い果たしたような状態だった。

「はぁ…はぁ…な、なんでもういるの…?従姉さん」

てっきり今日の夜来ると思っていた従姉に、まさか朝くすぐられて起こされるとは思ってもみなかった。身体を起こそうにも、まだ腰の辺りに馬乗りされているため身を起こすことができない。

そんな僕を上から見下ろすようにして眺めている。

「久しぶりだね~♪1年ぶりかな?相変わらずこちょこちょ弱いね~♪男の子なのに恥ずかしいね?」

「うっ!うるさいっ!!お、重いから早くどけよ馬鹿!!……あっ、ちっ、ちがっ!!」

「へ~?私にそういうこと言うんだぁ…。反抗期なのかな?そんなにお仕置きされたいのかなぁ?」

上から両腕を押さえつけられ、耳元で呟かれる。
余計なことを言ってしまった後悔が襲いかかるが、多分もう遅い…。

それでも最後の抵抗で逃げようともがいていると、

「へ~。まだ暴れる体力があるんだ」

いきなり両足を捕まれ、素足をおちんちんの上に乗せられる…。

「まっ、まって!それだけは勘弁してぇっ!!」

「だ~めっ。覚悟しなさいっ!」

「ひゃっ!?ぁぁぁぁぁっはははははははは!!ぎゃひぃぃっ!くずぐったぃぃぃ!!ひゃだぁぁぁぁんっ//ぁぁぁぁっ//ひゃめっ!ごめんなしゃぃぃ!」

足の裏全体を細かく動かされ、電気あんまの刑にされる。去年お泊まりしたときも従姉妹たちに二人がかりで責められ、泣いてごめんなさいするまで容赦なくいじめられた…。

あれから1年経ち、さらに技術が増してる気がする…

逃げようにもガッチリと両足を捕まれ、しつこく股間を責め立てられて力が抜けてしまう。

「どう?少しは反省した??」

「反省しましたからぁぁぁぁごめんなさぃぃぃおねえちゃんゆるしてぇぇぇもう限界だからぁぁぁ」

泣きそうな声で懇願する僕を見て、ようやく電気あんまから解放される。

「ごめんごめんっ!ちょっとやりすぎちゃったかな、ほら、泣かないで?あっ、朝ごはん出来たって!おばあちゃん呼んでるから、顔洗ってきなよ」

そそくさと部屋から出ていく従姉。

冷たい水で顔を洗う。田舎の夏の朝は好き。

生温かい風。今日もよく晴れていて、元気な蝉の声が聞こえてくる。

居間に行くと、従姉とおばあちゃんが朝ごはんの準備をしていた。

あれ…?従姉だけしかいないのかな。

「あっ、おはよ~♪さっきはごめんね。ほら、朝ごはん食べよ♪」

白い炊きたてのご飯。焼き魚。お味噌汁。お漬物。冷たい麦茶。

久しぶりに会う親戚と食べる朝ごはん。

どうやら従姉は昨日から家族でこの近くにある神社に泊まっていたらしい。…あそこか。裏山の階段を登った上にある神社。詳しくは知らないけど、遠い親戚と繋がりがあるらしい。

毎年、血縁者があの神社にお泊まりするしきたりがあり、今年は従姉妹の家が泊まったみたいだ。

3年前に僕も泊まったことがあるけど、夜になると少し不気味で、怖かった思い出がある。

従姉に昨日何とも無かったか聞いてみた。

「別に…?特に何も無かったよ~」と涼しい顔で返事がきた。

従姉の家族は少し用事があるらしく、今日の夕方にみんな来るらしい。

ちなみに僕の両親は、仕事の関係で明日か明後日来るみたい。

朝ごはんを食べて、居間でくつろいでいると、
従姉が僕の耳にひそひそと話しかけてくる
「ねぇ。お昼ごはん食べたらさ、あの神社行こうよ」

「ええっ…でもあそこはあんまり入っちゃいけないって…」

「大丈夫だよっ、一応私たちも親戚で関係者なんだから!それとも…もしかして怖いのかなぁ??」

「そっ、そんなことないしっ!行くもん!」

じゃあ、決まりね♪

ニッコリとそう微笑み、従姉は台所の方に行ってしまった。

裏山から流れる風が、居間にある風鈴を揺らす。

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